研究課題/領域番号 |
01570970
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
白木 城照 東京大学, 医学部(分)・分院講師 (80111524)
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研究分担者 |
鈴木 康之 関東逓信病院, 眼科, 医学士 (80196881)
山下 英俊 東京大学, 医学部眼科学教室, 本院講師 (90158163)
江口 秀一郎 東京大学, 医学部(分), 本院講師 (30160352)
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キーワード | 原発開放隅角緑内障 / 線維柱帯内皮細胞 / confluent cell layer / 房水流出抵抗 / 貪食機能 / flocytometry / ステロイド緑内障 |
研究概要 |
(1)人眼線維柱帯内皮細胞をフィルタ-上に培養して得たconfluent cell layerを実験モデルとして、房水流出抵抗増加機序と、それに関わる諸因子を検討する実験系は、一様なcell layerが完成されない例があることが判明した。これは一つには角膜移植提供眼の殆どが高齢者のもので、細胞活性が低いためと考えられる。しかしこの系は非常に有用なモデルであるため、フィルタ-の材質を変更し至適培養条件の検索を行っている。 (2)原発開放隅角緑内障発生に深く関与すると考えられている線維柱帯内皮細胞の貪食機能を測定する目的で、培養線維柱帯内皮細胞の培養液中にfluorescein microbeadsを投与し、貪食されたmicrobeads数をlaser flow cytometryの手法を用いて測定した。線維柱帯内皮細胞は強力な貪食機能を有しており、貪食はbeads投与直後から開始され、最大貪食個数は細胞1個当り600beadsにも及ぶと推定された。さらに、10^<-6>M以上の濃度のdexamethazoneで2週間培養された細胞ではbeads貪食機能が低下するが、同一個体から得られた培養細胞中に貪食機能正常細胞と低下細胞が混在している可能性が示唆された。副腎皮質ホルモン投与による貪食機能低下はステロイド緑内障発症原因の一つとして注目されていたが、今回のように明らかな知見は従来示されていないもので、極めて重要であり、現在結果の確認を行っている。他の薬剤と貪食機能の関係についても検討中である。 (3)上記の実験系を利用して、正常眼と緑内障眼について、線維柱帯内皮細胞の流出抵抗、貪食機能、及びその薬物による変化を比較し、緑内障発症機序を考察する計画である。 (4)上記の実験系を利用して、線維柱帯内皮細胞の流出抵抗、貪食機能の年齢による差異を求め、加齢による生体内酵素の量、及び細胞外成分の組成の変化との関連について検討を加える計画である。
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