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1989 年度 実績報告書

眼内レンズ挿入眼におけるマクロファ-ジの働きに関する実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 01570977
研究機関九州大学

研究代表者

大西 克尚  九州大学, 医学部, 助教授 (80037473)

研究分担者 石橋 達朗  九州大学, 医学部, 講師 (30150428)
キーワード眼内レンズ / マクロファ-ジ / 多核巨細胞 / 好中球 / 電子顕微鏡 / 猿 / 家兎 / フィブリン
研究概要

眼内レンズ挿入の対象として家兎と猿を用いた。手術中、家兎ではフィブリンの析出が強く起こり、ヘパリンの点眼が必要であったが、猿では人と同様、ヘパリンは不要であった。また家兎の水晶体は人より球状に近い形をしていて大きく、眼内レンズが水晶体嚢の中で不安定であったが、猿では安定性がよかった。また手術後の経過をみても家兎では水晶体嚢の収縮、混濁がより強く起こっていた。このように眼内レンズの実験では家兎よりも猿の方がより人に近い反応を示していたので、以下の結果は猿の実験結果について主に述べる。
眼内レンズ移植翌日には、眼内レンズ表面に好中球とマクロファ-ジが小数付着していた。移植4日後には、これらの細胞が多数認められるようになった。好中球の核は分葉し、細胞質には多数の特殊顆粒やアズ-ル顆粒を有し、偽足突起を出していた。マクロファ-ジの核は円形または楕円形で、細胞質には粗面小胞体やリボゾ-ムに富んでいた。移植7日後には、好中球は認められなくなり、マクロファ-ジと多核巨細胞が存在していた。多核巨細胞は直径が数百ミクロンにも達するほど大きなものもあった。細胞質には多数のファゴライリゾ-ム、小胞、空胞が認められた。移植14日後には7日目と比べて細胞の数が減少していた。
マクロファ-ジと多核巨細胞の細胞質の微細構造が類似していることと、多核巨細胞にマクロファ-ジが接触している像などが観察されたことより、多核巨細胞はマクロファ-ジが癒合してできたと考えた。そこでマクロファ-ジが多数認められた移植4日目の眼内レンズを培養液中に移し、16mm写真撮影を行いながら培養した。
マクロファ-ジは眼内レンズを異物として感知して出現し、巨細胞に変りつつも、眼内レンズの透明性を障害していなかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Ishibashi,T.: "Cytology of Intraocular Lens Surface:A Transmission Electron-Microscopic Study" Ophthalmologica. 198. 30-34 (1989)

  • [文献書誌] Ishibashi,T.: "Cellular reaction on the surface of intraocular lens removed from human eyes" Journal of Cataract and Refractive Surgery.

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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