研究概要 |
網膜神経節細胞の純粋分離培養法の開発を行なうと同時に網膜組織片培養も行ない、最適な実験動物がなにかを検討した。現段階ではラットのE14〜18が最も適していた。コラ-ゲン上に組織片を置くKim&Takahasi方法(Invest Ophthalmol Vis Sci 29:1372ー1379,1988)を用いなくても、PolylysineとLaminineを使用することで組織片培養が可能となった。組織片からでる神経節細胞やその軸索をNeurofilamentやThyー1抗体にて免疫組織化学的に染色し同定した。細胞分離培養法としてPercollの密度勾配遠心法を用い、網膜神経細胞は大中少の3グル-プに分かれた。これらに対しneurofilament,Thyー1,glial fibrillary acidic protein,rhodopsin,acethyl choline,dopaminなどの網膜細胞マ-カ-を用い、神経節細胞の純度を検討したがそれは低く、満足できる分離条件を得ることはできていない。したがってPercollの条件をされに検討し、metrizamideなどの他の密度勾配遠心法に変更する必要があるかもしれない。またBarresらの抗体を使用したPanning法も検討に値する(Neuron 1:791ー803,1988)。 網膜組織片培養を用いた稀突起膠細胞とのcoーculture(コラ-ゲンゲルの3次元培養法)では網膜神経節細胞の神経突起に稀突起膠細胞が絡みあっているように培養され、神経突起の成長には稀突起膠細胞が何らかの役割を果たしていることが示唆された。polylysineとLaminine上の組織片からでる神経節細胞やその軸索と稀突起膠細胞とのcoーcultureをも行っている。これらの実験観察には購入したニコン社万能倒立顕微鏡ダイアフォトTMDを用いた。
|