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1990 年度 実績報告書

歯周組織のコラゲン吸収・分解機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 01570992
研究機関東日本学園大学

研究代表者

矢嶋 俊彦  東日本学園大学, 歯学部, 教授 (10018749)

キーワード歯周組織 / セメント芽細胞 / マラッセ上皮遺残 / コラゲン吸収・分解 / コラゲン貪食 / 酸性ホスファタ-ゼ / アルカリホスファタ-ゼ / 歯周組織改造機構
研究概要

歯周組織は絶えず咬合の力や動きを吸収し、消耗を受けており、コラゲン線維の代謝・新生速度は極めて高く常に改造が行われている。これら生理的条件下では、改造現象は線維芽細胞によってなされていると考えらされてきている。最近これらに加えて、セメント芽細胞とマラッセの遺残上皮がコラゲン貪食能を持ち、改造現象に関与している可能性が示唆されたので本研究を行い、以下の結果を得た。
材料には、潅流固定した生後3週から6箇月のウィスタ-系ラットの下顎臼歯の歯周靭帯一セメント質境界部組織を用いた。その微細構造とACPase・ALPase活性の局在を電顕で観察し、比較検討した。
実験観察期間を通して、セメント芽細胞のなかには、コラゲン細線維を取り込んでいる像がしばしば観察された。これらの線維の他端はセメント質のシャ-ピ-線維に連続しているものも有った。また、細胞内コラゲン線維を持つセメント芽細胞も多数観察され、1本または数本のコラゲン線維が貪食小体中に認められた。これらの多くの小体にはACPase活性が認められ、コラゲン貪食水解小体であることが確認された。さらに、水解小体中でのコラゲンの変性・消化像も観察された。 興味あることには、ALPase活性が形成中のコラゲン貪食小体の限界膜に認められた。この活性は貪食小体膜の形成・分化に関与している可能性が示唆された。これらの貪食作用は、遺残細胞の移動に伴うものと考えられた。
以上の研究結果より、歯周靭帯一セメント質境界面では、従来考えられていた線維芽細胞に加えセメント芽細胞もコラゲン貪食能を持ち、生理的コラゲン改造機構に関与していることが明らかにできた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Yajima, T.: "Collagen phagocytosis by cementoblasts at the periodontal ligamentーcementum interface" Arch.Histol.Cytol.52. 521-528 (1989)

  • [文献書誌] Yajima, T.: "Histochemical study on remodeling and degradation of collagen fibrils at the periodontal ligamentーcementum interface of the rat molars" Archs.Oral Biol.

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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