研究課題/領域番号 |
01570999
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
池田 正 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (10050006)
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研究分担者 |
高田 和子 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (20120496)
平澤 正知 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (60095453)
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キーワード | 齲蝕免疫 / 齲蝕の被動免疫 / S.mutansの免疫 / SAI / II抗体 / 抗SAI / II抗体 |
研究概要 |
1.S.mutans(c)SAI/II抗体処理によるヒドロキシアパタイト(HA)ディスクへの菌体付着の抑制: (1)SAI/II抗体等で処理したS.mutans菌体の唾液被覆HAディスクへの付着菌数は、SAI/II抗原に対する粗標品抗体で87.0%,SAI/II抗体で72.5%、SA100K抗体で70.4%、SA50K抗体で94.6%阻害された。(2)同粗標品抗体またはSAI/II抗体で処理された唾液被覆HAディスクへの付着菌数は、前者が20.7%、後者が13.7%の付着阻害を認めたが、それらの阻害率は菌体の抗体処理と比較して顕著に低かった。 2.SAI/II抗体の口腔内投与によるラット齲蝕の抑制: JCLーSDラットを3種抗生物質で口腔常在菌を抑制後、2群に別けPSー14株を感染させ、diet2000の56%ショ糖の6%をSAI/II抗体(対照群は6%正常血清凍結乾燥標品)で置換した試料で飼育し、40日後に両群の齲蝕スコアを比較した。抗体添加群の平均齲蝕スコアは45.0±6.7、対照群86.0±3.1で47.7%の齲蝕抑制率を認め、その差は有意(p<0.01)であった。 3.ヒト口腔内で行う実験齲蝕(Intraoral Cariogenicity Test:ICT)法による供試エナメル質のSAI/II抗体処理による脱灰の抑制: 両側の第1大臼歯歯肉部に、予め微小硬度を測定したエナメル質片を嵌入・仮着したICT装置を、口腔内で常時使用させた。その間口腔外で1日3回、実験側はショ糖溶液および抗体液、対照側はショ糖溶液および正常血清液で処理し、口腔内に戻した。2週間後両エナメル質の硬度を再側定し比較した。 対照側エナメル質の硬度は200.4±3.9で、抗体処理側エナメル質は242.4±4.9であった。両側エナメル質間の硬度差(42.0)は有意(α=0.05)であり、SAI/II抗体のエナメル質処理による脱灰の抑制が認められた。
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