研究課題/領域番号 |
01571003
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
亀谷 明秀 朝日大学, 歯学部, 講師 (70121316)
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研究分担者 |
田辺 俊一郎 朝日大学, 歯学部, 助手 (60227197)
永原 国央 朝日大学, 歯学部, 助手 (90139915)
柴田 寛一 朝日大学, 歯学部, 名誉教授 (10076002)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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キーワード | 電気刺激 / 電気的仮骨 / 電気刺激骨膜移植 / 細胞外基質 / プロテオグリカン / タイプI,II,III,IVコラ-ゲン / ^3Hーthymidine / ^<45>CaCl_2 |
研究概要 |
I.電気的仮骨形成機序 ラット脛骨骨膜を微小電流で刺激すると、(1)造骨系の細胞の供給、(2)基質の合成・分泌、(3)ミネラルの供給が行われ、(4)プロテオグリカンやコラ-ゲンを始めとする石灰化制御蛋白質の存在により電気的仮骨が形成される。すなわち、電気刺激は骨膜に存在よる間葉系の細胞を増殖させる作用があり、これらの細胞のほとんどが骨形成能を有する造骨系の細胞に分化する。この細胞は強いアルカリフォスファタ-ゼ活性を有し、コラ-ゲンやプロテオグリカンを合成・分泌し有機性の基質を形成する。有機性の基質は48時間目より形成され5日目まで成長を続け、基質中にはコラ-ゲンやプロテオグリカンの高度集積が見られるようになり、石灰化の場の整備をする。これらの結果より、電気刺激は(1)間葉系の細胞を増殖させ、細胞外基質の合成・分泌を促進し、(2)この有機性の基質には各種の石灰化制御蛋白質を含む細胞外基質やカルシウムの高度集積が見られると同時に、基質の一部でもあり調節因子でもある細胞外基質は細胞の分化を促し造骨系の細胞へと分化させ、(3)これらの基質が質的、量的に変化を受けてヒドロキシアパタイトを沈着させる。(4)陰極側に見られる軟骨は軟骨内骨化をすることなく基質が直接石灰化し電気的仮骨を量的に成長させ電気的仮骨を完成させる。 II.電気的仮骨の臨床応用 電気的仮骨を軟組織内に移植した場合は、石灰化直前の類骨、もしくは石灰化が始まっているものは結合組織になることなく、軟組織内で骨を形成したが、骨組織の欠損部に移植したときは石灰化が進行している時期の骨膜が有効であった。また、腫瘍切除後の12歳女児の下顎骨再建に電気刺激骨膜を移植し、骨欠損部に骨組織を形成させ良好な結果を得た。
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