1.Mycoplasma salivarium (MS)細胞にIgGが非特異的に結合する。 ヒト血清160検体をMS抗原で吸収することによって、M.salivariumならびにM.oraleに対するIgG抗体価は、それぞれ、84.24(±8.01)%そして31.14(±17.31)%減少した。 2.MS細胞はタンパク質分解酵素あるいは過ヨウ酸ナトリウムで処理されるとヘモリジン感作赤血球に対する凝集活性を失う。 3.MS細胞はルテニュウム・レッドで染まる物質で包まれており、この物質はタンパク質分解酵素による処理によって除去される。 4.MS細胞には糖タンパク質が存在する。 MS細胞タンパク質をSDSーPAGEで分画し、PAS染色すると、すくなくとも13本のバンドが染まり、これらのバンドと移動度の一致するバンドが銀染色でも染まった。精製された細胞膜でも同様の所見が得られた。 5.MS細胞の糖タンパク質はIgGと結合する。 SDSーPAGEで分画したMS細胞タンパク質をニトロセルロ-ス膜に転写し、ウサギ血清、ウサギIgG、ヒト血清あるいはヒトIgGを作用させ、最後にprotein AーgoldでIgGを発色させることによって、IgGと結合する糖タンパク質のバンドが検出された。31Kと60Kのバンドが主要なバンドであった。 結論:口腔マイコプラスマの一つであるMycoplasma salivariumにプロテインA様活性を担った糖タンパク質の存在することが明らかにされた。
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