研究課題/領域番号 |
01571016
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
浅田 彬 大阪大学, 歯学部, 講師 (50028734)
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研究分担者 |
滝川 正春 大阪大学, 歯学部, 講師 (20112063)
鈴木 不二男 大阪大学, 歯学部, 教授 (40028717)
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キーワード | 軟骨細胞 / 副甲状腺ホルモン / 受容体 / 培養細胞 / 樹立細胞株 / 細胞分化 / 成長因子 / 分化修飾因子 |
研究概要 |
1)マウス肋軟骨成長軟骨細胞培養系からPTH応答性を有する三種のクロ-ン化細胞株を樹立するのに成功した。具体的にはマウス肋軟骨の2代目の培養細胞から分離した細胞株MGC/T1細胞を27代目にクロ-ニングし、PTHに応答してその細胞内cAMPレベルがそれぞれ約150倍、70倍および200倍上昇するMGC/T1.4,T.17およびT1.18細胞を樹立した。また、この応答性は継代50代を経ても維持されていた。なお、PTHによるMGC/T.18細胞のcAMPレベルの上昇はウサギ肋軟骨初代培養細胞におけるcAMPレベルの上昇の4ー10倍に相当した。すなわち、PTH受容体の研究にきわめて有用な細胞株が樹立きた。 2)ウサギ初代肋軟骨培養細胞を用い軟骨細胞の分化機能の発現とPTH受容体の発現とが密接に関連することを見いだした。すなわち、軟骨細胞をレチノイン酸、線維芽細胞成長因子、上皮成長因子で処置すると軟骨細胞の分化機能の指標であるプロテオグリカン合成が低下するが、それとともにPTH受容体数が減少した。一方、インスリン様成長因子、トランスフォ-ミング成長因子β、ジブチリルcAMPで処置すると軟骨細胞のプロテオグリカン合成は亢進するが、それとともにPTH受容体数は増加することが判明した。なお、いずれの因子で処置してもレセプタ-の親和性に変化は見られなかった。PTHによるcAMPレベルの上昇は、受容体数の減少するレチノイン酸、線維芽細胞成長因子および上皮成長因子で処置した細胞では抑制され、受容体数の増加するインスリン様成長因子およびトランスフォ-ミング成長因子βでは増強されたことから、受容体数の変化と生物学的作用とは相関することも判明した。
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