研究課題/領域番号 |
01571042
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡田 宏 大阪大学, 歯学部, 教授 (40038865)
|
研究分担者 |
伊藤 博夫 大阪大学, 歯学部, 助手 (40213079)
松尾 敬志 大阪大学, 歯学部, 助手 (30173800)
三木 靖夫 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (80165993)
|
キーワード | 線維芽細胞 / HLAーDR抗原 / インタ-フェロンガンマ / 酵素抗体法 |
研究概要 |
歯周疾患の発症と症状の進行における線維芽細胞の役割を明らかにすることを目的として、ヒト歯肉より線維芽細胞をline化し、In vitroにおけるMHC class II抗原の発現能及びアロ抗原の提示能について検索を行い、歯周疾患の病巣形成における線維芽細胞の免疫学的機能を明らかにしようとした。1.歯肉整形時に採取した健常な歯肉を細切して、これを10%FCS添加αMEMにて培養し、増殖する線維芽細胞をトリプシンーEDTAにて遊離させ継代を繰り返した。この方法により線維芽細胞をline化することに成功した。2.In vitroにおける線維芽細胞のHLAーDR抗原発現能についてアビシンービオチンシステムを用いた酵素抗体法による解析を行った。線維芽細胞をIFNγ存在下で培養を行うと、IFNγ非存在下の培養では認められなかったHLAーDR抗原が検出された。線維芽細胞のHLAーDR抗原陽性率は、IFNγの濃度依存性にまた培養期間の延長と共に増加し、IFNγ非存在下の培養で減少した。3.In vitroにおいてIFNγ処理によりHLAーDR抗原を発現することが明かとなった線維芽細胞の機能的な解析を行い次のような結果を得た。HLAーDR抗原を発現した線維芽細胞は、アロ resting T細胞を刺激することはできなかった。線維芽細胞は、線維芽細胞と同じ人由来の単核球であらかじめPrimingをかけておいたアロT細胞(primedT細胞)を刺激、増殖させることができた。しかし刺激細胞である線維芽細胞のIFNγ処理の有無による差は著名ではなく、またこの反応は抗HLAーDR抗体によっても一部分しか抑制できなかった。以上の結果より、線維芽細胞はIFNγ処理によりHLAーDR抗原を発現するが、抗原提示能については弱く、抗原提示を行うには他のシグナルの必要性が考えられる。
|