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1990 年度 実績報告書

コンポジットレジンの接着疲労特性

研究課題

研究課題/領域番号 01571055
研究機関神奈川歯科大学

研究代表者

岩本 次男  神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (90084722)

研究分担者 花岡 孝治  神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (40198776)
山崎 恭敬  神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (80139542)
寺中 敏夫  神奈川歯科大学, 歯学部, 助教授 (60104460)
キーワード剪断疲労 / 接着強さ / acoustic emission / 剪断試験
研究概要

3種ボンディング剤のウシ象牙質面に対する静的剪断試験,および口腔内環境と類似した条件下での接着に及ぼす疲労の影響を検討した結果,ボンディング剤の測定された静的接着強さが即,接着部の疲労抵抗性には反映せず,静的接着強度が高くても,繰り返し応力により早期に接着部に破壊が生じる材料もあり,一般的な接着強さにみでボンディング剤の良否を判断するべきではないことが示唆された。
今回,コンポジットレジンのサンドイッチ修復法に用いるグラスアイオノマ-系セメント3種(裏層用:光重合型2種,充填用1種)を用い,同様の検討を加えると共に剪断接着試験,剪断接着疲労試験時に発生するAcoustic Emission(AE)を検出することにより,破壊様式の詳細な検討を行った。その結果,象牙質に対するグラスアイオノマ-の剪断接着力は,それぞれビトラボンドで1.25MPa,フジライニングLCで1.16MPa,対象として用いたフジアイオノマ-タイプIIで有意に高い3.95MPaが示されたが,3種材料とも象牙質セメントでの界面破壊を示したことが観察された。また剪断試験の応力歪み曲線ならびAE信号の発生状態から,ビトラボンド,フジアイオノマ-タイプIIにおいては,破断までほとんどAEの発生が認められず,破断直前に急激なAEの増加が認められ,脆性的破壊を示したと考えられるのに対し,フジライニングLCにおいては,破断に至るまで試料の塑性変形によると考えられるAE信号が間断なく発生し,延性的に破壊が起こったことが推察された。また,グラスアイオノマ-の象牙質への接着に対する疲労の影響については,本実験に供した材料に限り静的接着強度が強いほど,疲労に対する抵抗性が強いことが示された。これらのことから,象牙質とグラスアイオノマ-の接着に対する繰り返し応力の影響は,使用されるグラスアイオノマ-自体の物性に大きく影響されると考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 芥川 卓也: "コンポジットレジン修復の辺縁封鎖性に及ぼす諸因子(II)" 日本歯科保存学雑誌. 33. 16 (1990)

  • [文献書誌] 山崎 恭敬: "試作接着疲労試験機による剪断疲労強さについて" 接着歯学. 8. 93-94 (1990)

  • [文献書誌] 川野 賢哉: "各種処理法の相違によるコンポジットレジンの象牙質に対する剪断接着強さ" 神奈川歯学. 25. (1990)

  • [文献書誌] 寺中 敏夫: "Effect on Root surface Demineralization Treated with Fluorideーhanthanum" J.Dent.Res. 70. (1991)

  • [文献書誌] 三ツ井 邦晴: "裏層用グラスアイオノマ-セメントの接着ー繰り返し荷重による接着疲労ー" 日本歯科保存学雑誌. 34. (1991)

  • [文献書誌] 川野 賢哉: "歯科用ガリウム合金の辺縁封鎖性について" 日本歯科保存学雑誌. 34. (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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