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1989 年度 実績報告書

歯内療法用材料および薬剤に対する免疫生物学的評価法の確立に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 01571056
研究機関神奈川歯科大学

研究代表者

長田 保  神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (70084720)

研究分担者 谷 信之  神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (20163610)
キーワード覆髄材 / 起炎性 / 免疫生物活性 / IL-1 / 細胞毒性
研究概要

歯内療法用材料および薬剤に対する免疫生物学的評価法を確立することを目的として各種覆髄剤、根管充填剤についてIL-1産生誘導能、細胞増殖性および細胞毒性について検討し以下の知見を得た。IL-1産生誘導能については、抗IL-1αおよび抗IL-1βを用いたELISA法により測定した。覆髄剤のIL-1産生誘導能は、ヒト歯髄細胞刺激後の培養上清、そして根管充填材はヒト歯根膜細胞刺激後の培養上清を標品として用いた。その結果、覆髄剤ではグラスアイオノマ-系のFuji-Ionomerが無刺激群に対してIL-1αで約70倍、IL-1βで約15倍の産生増強が認められた。しかしながら、この活性はマウス胸腺細胞を用いたCo-Stimulation Assayでは、有為な増強作用を認めなかったことからin vitro系では、IL-1 inhibitorが同時に産生されている可能性が考えられる。一方、ユ-ジノ-ル系および水酸化カルシウム系の覆髄剤はIL-1α、βともに産生誘導能は認められなかった。次に根管充填材はNU-59、AH26、Endo-FillおよびAPATITE ROOT SEALERでIL-1βの産生が無刺激群の約1.5〜3倍認められた。覆髄剤および根管充填材の細胞増殖性、細胞毒性に対する影響はすべての材料において高濃度の刺激によって増殖抑制と強い毒性が認められた。一方、10^<-2>希釈した低濃度の刺激では、両作用ともに細胞に対する影響は少なかった。しかしながらグラスアイオノマ-系覆髄剤および根管充填材のAH26、Endo FillおよびNU-59は低濃度においても細胞増殖抑制傾向が認められ前述のIL-1産生誘導能の結果と一致していた。
以上の結果から、各種疾患の炎症メディエ-タ-として重要と考えられているIL-1産生誘導能は細胞に対する障害性の強さとの相関性が認められ、歯科材料の免疫生物学的評価法の指標として利用できることが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 三上昌子,谷信之,富永尚宏,長田保,梅本俊夫: "覆髄材の起炎性に関する細胞生物学的研究" 日本歯科保存学雑誌. 33. (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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