研究課題/領域番号 |
01571065
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高橋 純造 大阪大学, 歯学部, 助教授 (80029149)
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研究分担者 |
岡崎 正之 大阪大学, 歯学部, 講師 (30107073)
木村 博 大阪大学, 歯学部, 教授 (70036218)
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キーワード | チタン / 鋳造 / 埋没材 / 反応層 / 硬さ / 石英 / クリストバライト |
研究概要 |
軽くて毒性もない理想的な歯科用金属としてチタン合金は、今脚光を浴びている。この金属を従来のようにロストワックス鋳造すると、酸素と触れたり鋳型材と反応して、本来のチタンより硬くもろくなってしまい歯科補綴物としての安全性に欠けると言われてきた。そこで、5種の市販リン酸塩系埋没材をチタン鋳造に使用してみた。 従来のような鋳型温度(800℃)での鋳造では、いずれも埋没材中のシリカ(SiO_2)と反応して鋳造体の形態の再現さえ困難であった。そこで鋳型温度を350℃としたところ、3種の埋没材によるチタン鋳造体は比較的表面硬度が低く、表層の鋳造欠陥も少なく、MODインレ-の適合も浮き上がり100ミクロン程度であった。しかし、残り2種の結果は表面硬度も高く、表層の鋳造欠陥も多く、適合性も悪かった。これら埋没材の加熱膨張曲線から、前者の埋没材はシリカとして石英を多く含み、後者はクリストバライトを多く含むことが知られた。 そこで、石英型リン酸塩系埋没材とクリストバライトスト型リン酸塩系埋没材を試作して、チタンを鋳造しその鋳造体を比較したところ、予測どおり前者の反応性は、後者に比べてかなり小さかった。石英からクリストバライトへの変態潜熱が、この現象と関連があると推察している。 しかし、石英はクリストバライトに比べて350℃での加熱膨張率が小さいことから、石英型リン酸塩系埋没材の膨張率の増加を、石英の粒度配合、添加剤などによって補うことが、鋳造精度の向上に必要であることが知られた。
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