研究課題/領域番号 |
01571068
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小林 仁一 九州大学, 歯学部, 助手 (70136498)
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研究分担者 |
寺田 善博 九州大学, 歯学部, 助教授 (30038898)
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キーワード | 痛覚 / カプサイシン / C繊維 / 三叉神経 / Ca^<++>ブロッカ- / Cd^<++> / 複合活動電位 / ラット |
研究概要 |
カプサイシンの、ラット三叉神経に対する作用効果については一部すでに、奨励研究(A)課題番号:63771634で報告しているが、その作用機序に関しては濃度依存性、時間依存性であることが判明しているだけである。そこで本研究課題の究明に必要と思われる作用機序について更に究明を行い以下のような新たな知見を得た。 成熟ラット(ウィスタ-10w以上)をペントバルビタ-ルとケタミンを併用した麻酔下で、三叉神経節(TG)と眼窩下神経(ION)を露出させた。そしてツボクラリンで非動化し、EMG完全消失後、TG刺激に対する複合活動電位の逆行性応答をIONから記録した。そして応答の速度、刺激の閾値によりC繊維群活動を同定した。 次にCa^<++>のブロッカ-であるCd^<++>をカプサイシンのかわりに神経に局所投与する実験を行った。Cd^<++>は、カプサイシンの時と同様に濃度、作用時間を変えてその効果の時間経過の観察をおこなった。濃度については50、100、200、500μmolの各々について、また作用時間は3、5、10分について検討した。Cd^<++>は作用後ノ-マルリンガ-で20〜30分間洗浄して取り除いた。このようにしてCd^<++>の作用前、作用中、除去後の時間経過に従ってC繊維群の活動を複合活動電位で測定した。そして作用前の応答の振幅をコントロ-ルとして相対値で表した。 その結果、Cd^<++>は100μmol以上ではカプサイシンと同様にC繊維群活動を抑制し、その時間経過はカプサイシンの場合とよく一致していることがわかった。このことからカプサイシンの効果はCa^<++>チャンネルに関与するものではないかとの示唆が得られた。 しかしながら、まだ十分なデ-タではないので更に確証を得るべく実験デ-タを収集中である。
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