本年度の研究実施計画に従って、口蓋裂や顎欠損を有する被験者の処置前後について、Nasometer(6200-2型)により鼻漏出気量を測定、記録し解析を進めている。 1.口蓋裂や顎欠損を有する被験者の補綴処置前後のパラトグラムを採得し、得られたパラトグラムをビデオカメラにて入力し、ビデオプリンタ-に記録した。 2.同一条件で採得された5枚のパラトグラム像を画像処理装置によって積算処理して、平均化したパタ-ンの外形線と歯列とを同一基準点で重ね合わせて表示するプログラムを作製した。これをビデオプリンタ-でプリントアウトして、画像を観察し、パラトグラムの異常度を数値化して分析を行った。 3.Nasometerにより、補綴処置前後での鼻漏出気流を計測するために、発音検査語表を用いて発音させた。モニタ-上に描かれたナソグラムを解析し、プリンタ-により必要な画面をプリントアウトして、計測時の確認および記録の保存を行っている。 4.音声周波数分析装置(DSP Sona-Graph 5500)をNasometerと同期させて、発音時の声紋を同時に記録し解析を行っている。なお、声紋は、カラ-ビデオプリンタ-によって、必要な画面をプリントアウトして計測時の確認および記録の保存に用いた。 5.以上のように、パラトグラムとソナグラム、さらに声紋の検査結果を総合して比較検討する方法を確立し、さらに多くの症例について計測を行っている。
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