研究概要 |
コラ-ゲン代謝およびコラゲナ-ゼに対するコラ-ゲン基質の感受性解析の一貫として、本年度は、ラットカラゲニン炎症修復過程における肉芽組織コラ-ゲンの架橋結合の分析を行った。 ラットカラゲニン炎症の5,7,14,21,28日めの肉芽組織を採取し、中性塩不溶性画分のコラ-ゲンの還元性架橋分析を行った。その結果、各時期において、主要な架橋結合として、dihychoxylysinonorleucine(DHLNL)とdihydroxynorleucine(HLNL)がみられ、DHLNL/HLNL比は、7日めがもっとも高値で2.3の値を示し、14日め以降は減小していた。このことから、7日めにおいて、コラ-ゲン生合成と線維形成能が、最大となり、以後、コラ-ゲンは成熟と安定化に向かうと考えられた。一方、前年度の結果から、コラゲナ-ゼ活性は、14日めにおいてピ-クとなることから、コラ-ゲンの基質感受性を検討する上で、さらに架橋結合の絶対量と、分子間架橋結合の中でもヘリックス部分同士を結びつけるとされ最近確認されたhistidinohydroxylysinonorleucineの解析の必要性が示唆された。
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