研究概要 |
ハムスタ-頬のうへの移植癌を用いたリンパ節転移モデルにより転移の初期像,時期を明らかにしたが今年度は頬のう移植癌に対して抗腫瘍薬であるブレオマイシン(BLM)サイクロフォスフォマイド(CPM)を投与し転移頻度への影響について検討した。 1. BLMiP投与による抗腫瘍,抗転移効果について 移動前のBLM投与(4mg/kg)はリンパ節転移形成抑制の効果はなくむしろ対照と比較してわずかであるが転移頻度が高い傾向にあった。 移植直後からのBLM投与は抗腫瘍効果が肉眼的にも病理組織学的にも明きらかであったが抗リンパ節転移は対照と比較して差は明確ではなかった。 2. CPMiP投与による抗転移効果について 移植前のCPM(120mg/kg)投与はリンパ節転移をわずかだが高める効果があった。しかし実験動物の衰弱も著しくこれはCPMの免疫抑制作用によるものでありCPMの減量を考慮する必要がある。 移植後のCPM投与はリンパ節転移に何ら影響を与えなかった。 以上より抗腫瘍薬投与による本研究は固型腫瘍よりもむしろ培養細胞を用いて行った方がより正確な結果がえられると考えられる。又、抗腫瘍薬の投与量を再検討する必要がある。
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