本研究は患者の口腔内より診療域に飛散する汚染物質の実態を明らかにするとともに、効果的な防護方法を開発することにある。研究方法;1)実験環境の設定;患者(マネキン)を水平位とし、術者を12時、介助者のある場合は3時の位置に配した。作業面と測定面を床面より70cmで一致させ、作業点を中心に4m四方の計測面を設定した。飛散片はこの面を25cmの正方形の区画に分割して計測した。2)形成歯牙;予備実験において天然抜去歯牙を用いたが保存方法により誤差が大きかったため、陶歯(ヌ-ク硬度400)を使用した。3)吸引の能力は110l/分。4)削合にはカ-バイドバ-、1557、5)作業時間;90秒。6)作業部位は13-23間とした。結果:右に結果の一部を示す。削合歯は13で比較したものである。実験番号6は平成2年度の予備実験を兼ねている。 これらの結果より、術者の周囲最高230cmに飛散していることが明らかとなり、面として防護するよりも、立体域として発散を制限することの方が容易であることを明らかにした。
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