研究概要 |
前年度に開発した不織布によるシ-ルドを行う方法では、経費負担が大きすぎる問題を残したが、治療内容によっては、飛散よりも汚染対策に集中が可能である。そこで簡略化対策としてサラン樹脂を用いた方法では、準備が約半分の時間で行え、かつ経費も不織布の50分の1程度に抑えることが出来た。この樹脂は透水性が低く、ウイルスを透過させないこと、さらにオ-トクレ-ブも可能である等の性質に加えて、透明で内容物がよく理解出来る利点と、一方尖鋭なもので容易に破ぶれる欠点がある。現在不織布との併用も行っている。 診療器具の改良。従来のハンドピ-スはシャフト部分のみが滅菌可能であったものを,可動半径70cm以上を有するホ-スとともにハンドピ-ス全体が滅菌可能とした。診療台に関しては、可能な限り清掃性と向上させる目的で、凹凸部のないチェア-を作製すべく試作した。ホ-ス類はすべて外付けのブラケット方式とした。また患者ごとに袋状のカバ-を装着し、治療後は汚染面を内側にして後始末の袋として利用可能とした。トレ-は術者の右手部分が最高汚染領域であるとの前年度の実験結果に基づき、着脱式で一体としてオ-トクレ-ブ可能とした。 介助行為:介助の適切さが、出血の管理上重要であり、また飛散物を減少させる極めて有効な手段であることが明らかとなった。従って術者と介助者は事前に充分な手順の打ち合わせを行うこと、又予定を変更するときは、術者側からの細かな情報提供が必要であることが明らかとなった。
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