感染症患者の歯科治療システム開発の研究における重要点をまとめた。 1.診療台に関して:背板を袋状の不織布でカバ-する。着脱が容易かつ安全で短時間で対応が可能、加えて後処理も容易。 2.診療時の切削物飛散への対応:エリアを不織布にてシ-ルドすることとパイプ部をテ-プカバ-した。ここに空気循環々境を導入すること、すなわち秒速0.5〜2.0mの頭部から足側へ空気を流し、使い捨てのフィルタ-で集める方法。 3.エンジン・タ-ビンのホ-ス:従来はハンドピ-ス部で滅菌可能であったが、材質の改良により、ホ-ス部分もオ-トクレ-ブ可能となった。 4.器具の接続:ホ-スの接続を、いわゆるカチット式として、接属部に汚染物が貯留しない工夫を行った。 5.光源:切削器具に光源を組み込める場合は、可能な限りそれを利用することとし、一般には天井埋め込み式で、表面を平相なカバ-で覆うことを基本とした。 6.吸引:現在の吸引力(110l/分)の力を増加させることは、かえって患者の軟組織を吸引し出血の原因となる。増量により飛散抑制効果は同機能のものをもう1本追加使用することであるが、介助が複雑となる欠点がある。 7.介助者:飛散物の管理に加えて、出血管理のために介助者の参加が望ましい。(予防着等の経費が増す欠点)。しかも削合に当っては、部位、方向、所要時間を事前に打合わせておくとともに、状況を設定してトレ-ニングを行う必要がある。これにより最大飛散距離で230cmを150cmに、飛散数を339→20へと減少されることが可能となった。
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