研究課題
目的:本件級ではcuspid guidanceの有無および食物の硬さの相違が、咀嚼時の下顎運動経路や咀嚼筋活動にどのように影響しているのかを定量的に評価した。方法:上顎犬歯とその対向歯が咬耗しているために咀嚼時にcuspid guided occulusionを示さない歯牙年齢IVAの正常咬合者10名を被験者とした。各被験者について、チュ-インガムおよび粘調性の高いジェリ-状食品を右側で咀嚼させた時の筋電位と下顎の変位信号を記録した。筋電位は右側咬筋(浅部、深部)、側頭筋(前部、後部)より導出した。次いで、同じ被験者の上顎左右の犬歯に、balancing occlusal interferenceを排除できるようなocclusal capsを18Kゴ-ルドにて製作し、これをセメント合着した後に、前記と同じ検査動作を記録した。得られた結果は以下のとおりである。結果:Occlusal capの装着によって、咀嚼のpathwayはgrinding storokesからchopping strokesへと軌跡が変化し、また開閉口時の側方変位がより小さくなった。チュ-インガム咀嚼時の筋放電活動については、capの装着によりいずれの咀嚼筋も明瞭なピ-クは示さなくなったが、放電時間および咬合相時間は延長した。ジェリ-咀嚼時にも同様の傾向が認められた。またcap装着の有無にかかわらずジェリ-咀嚼時には側頭筋の放電開始時刻が早くなった。以上の所見は本研究で用いた被験者の多くに認められたが、個体問変動も相当大であった。
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