研究課題/領域番号 |
01571125
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
鈴木 弘之 長崎大学, 歯学部, 助教授 (70018753)
|
研究分担者 |
岡 秀喜 長崎大学, 歯学部, 助手 (00194332)
平野 明喜 長崎大学, 医学部, 講師 (90208835)
|
キーワード | 骨移植 / bone remodeling / パルス電磁場刺激 / 画素 / 口蓋裂 |
研究概要 |
顎裂部に対する骨移植は口蓋裂患者の機能回復を得る上で極めて有用な方法だが、その臨床成績は必ずしも良好ではない。移植骨の生着率を高めるには移植部のbone remodelingを活性化する必要がある。bone remodelingをコントロ-ルする因子には、ホルモンやビタミンなどの全身性因子の他に電気的因子などの物理的な因子がある。パルス電磁場の様な電気的刺激が細胞の活性を促すという報告が多々あることから、パルス電磁場によってbone remodelingが活性化すると考えられる。そこで、骨移植後の口蓋部にパルス電磁場刺激を非侵襲的に加えることによって、移植骨の生着率の向上を試みた。 パルス電磁場刺激装置は鈴木が1985年ミシガン大学で歯周病患者に使用したものを応用した。刺激装置は口蓋部に装着するplate状のもので、術後約1ヶ月間骨移植部にパルス電磁場刺激を与えた。 移植骨に対する術後評価は、X線写真をコンピュ-タ画像解析装置で処理することによって行った。つまりX線フィルム濃度を0-255の256段階に数値化し各画素について処理することにより、移植部の骨の状態を客観的に評価した。ここで、X線写真は咬合法で撮影したものだが、部位的に焦点被写体間距離・入射角度等を全ての患者において一定にすることが困難なため、Aluminum stepsの挿入によって補正する予定である。 装置の外観は床型矯正装置に類似しているが、coil等を内蔵しているため若干の厚みを有しており、装置の形態にはなお、改良の余地があった。現在、電磁場刺激装置を適用した全患者について臨床的評価を行っている。今後、装置の改良・症例の選択・評価基準の設定等を検討した上で症例を増やしていく予定である。
|