研究概要 |
今回は、100ppmF^-フッ化物洗口液を用いたフッ化物洗口法を1983年3月まで実施した児童138名(男子65名、女子63名)とフッ化物洗口法をまったく実施していない児童105名(男子65名、女子40)の比較検討を行った。 成績の判定は、DMFT indexおよび歯種別萌出学年別、DMF率の比較により男女別に実施した。フッ化物洗口群と対象群のDMFT indexは1学年からやや差を認めたが、4年生頃からこの差は明らかとなり6年生3月までは、男子、女子ともに約3本の差を認め、統計的にも有意の差をもってフッ化物洗口群の齲蝕抑制効果を認めた。歯種別萌出学年別DMF率の比較のうち、対照群の1__-,2__-は、萌出2〜3年後に男女ともに齲蝕発生を認め、萌出5年後に増加する傾向を認めたが、フッ化物洗口群では、ほとんど齲蝕発生を認めず前歯部において高い齲蝕抑制効果を認めた。小日歯部の4__-,5__-、4^^-,5^^-の比較では、対照群の4__-,5__-において萌出の早い群に齲蝕発生が男女ともに認められたが、4^^-,5^^-においてはほとんど齲蝕発生を認めなかった。フッ化物洗口群でも4__-,5__-、4^^-,5^^-ともにほとんど今回の観察期間では明らかな差が認められなかった。6__-は1年生において萌出している群と2年生に萌出した群の2群について観察を行った。1、2年生萌出群ともにフッ化物洗口群において高い齲蝕抑制効果を認めた。6^^-においても6__-と同様の効果を認めた。一般に萌出時期の早い群では齲蝕罹患率が高い傾向が見られるが、フッ化物洗口群ではその差が明らかに認められなかった。7__-,7^^-についても、観察期間は短いがDMF率についてみると、7^^-においてフッ化物洗口群のDMF率が低く齲蝕抑制効果を認めた。 今後さらに追跡調査を進め、フッ化物洗口期間と齲蝕発生の関係を検索したいと考えている。
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