研究分担者 |
新谷 裕久 朝日大学, 歯学部, 助手 (10226342)
大橋 たみえ 朝日大学, 歯学部, 助手 (30194260)
徳本 龍弘 朝日大学, 歯学部, 助手 (20197883)
磯崎 篤則 朝日大学, 歯学部, 助教授 (40121305)
可児 徳子 朝日大学, 歯学部, 教授 (00076019)
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研究概要 |
本研究の目的は,低濃度フッ化物洗口法(フッ素濃度100ppm)のう蝕予防効果を萌出時期,う蝕罹患状態の3因子から分析を行い,さらにう蝕予防効果の持槻続性について,フッ素濃度500ppmフッ化物洗口法と比較検討することである。 1.低濃度フッ化物洗口群(100ppmF^ー)と非洗口対照群との比較 (1)DMFT indexの経時的比較(男女別):う蝕が急増する4年生頃から対照群との間に顕著な差がみられ,6年生3月では,対照群男子4.74±3.29対し,洗口群1.74±1.96,対照群女子5.53±3.30に対し,洗口群2.22±1.96を示し,いずれも統計的に有意の差をもって高いう蝕予防効果を認めた。 (2)各歯種別,萌出学年別DMF率の比較(男女別):上顎中切歯は2年生萌出群に,上顎側切歯は3年生萌出群に,上下顎第1大臼歯では,1年生萌出群,2年生萌出群ともに高いう蝕予防効果を男女ともに認めた。上下顎第1小臼歯,第2小臼歯は,各萌出学年の男女ともにほとんどう蝕発生がみられず,対照群との間には有意な差は認められなかった。上下顎第2大臼歯は,萌出が遅く観察できる期間は短期であったが,下顎第2大臼歯において洗口群との間に男子では6年生3月萌出群に,女子では6年生萌出群に有意の差を認めた。 2.100ppmF^ーフッ化物洗口群と500ppmF^ーフッ化物洗口群のう蝕予防効果の持続性の比較検討 小学校で6年間フッ化物洗口法を実施した児童を追跡調査し,洗口法終了31ヵ月後の歯種別DMFT率について比較検討を行った。終了後の各歯種別DMF率およびう蝕増加率の比較から,上顎中切歯,側切歯,上下顎第1大臼歯および上下顎第2大臼歯のDMF率はいずれも両群間に明らかな差は認められなかった。また,両群の各歯種別DMFT率は,非洗口対照群と比較しても明らかに低値を示しており,100ppm群,500ppm群ともにう蝕予防効果の持続性を認めた。 以上の1,2の検討結果からフッ素濃度100ppm洗口液を用いた週5回法によるフッ化物洗口法の有用性が確認された。
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