研究概要 |
本研究の目的は愛知県、岐阜県,静岡県および三重県の東海地区における市町村別歯科保健デ-タベ-スを構築する基礎的な検討を行うことである。初年度の本年はデ-タベ-ス作成のための基本システムをつくり、愛知県の市町村別にデ-タをファイルする。その後昭和59〜61年の1歳6ヵ月児および3歳児健康検査のう蝕経験者率および一人平均う蝕経験歯数などの歯科的なものを含む市町村指標を決め相互関係を分析することであった。 〔方法〕 愛知県88市町村、名古屋市16区計104の地区について、人口、死亡律、医療およびその他をあらわす71項目と1歳6か月と3歳児歯科保健水準をあらわす6項目、計77項目について、1984(S59)、1985(S60)、1986(S61)年度3年間のデ-タをコンピュ-タ(TOSHIBAJ-3100)などにインプットし、歯科保健水準と他の項目との相関関係を中心に分析した。尚、歯科保健の指標は1歳6か月児と3歳児の健康検査受診律、う蝕経験者率、一人平均う蝕経験歯数を用いた。 〔結果および考察〕 う蝕経験は愛知県東部に市町村は高く、名古屋市は低かった。各指数との関係では各年度毎にバラツキがあるが、1985年を令にあげて示すと、健康診査受診率は市町村所得、世帯数と負の相関、またう蝕経験と一人平均う蝕経験歯数は死亡数年間総数と負の相関関係がみとめられた。 今回愛知県以外のデ-タ収集およびデ-タインプットは出来なかった。また愛知県のデ-タの欠落部も若干あり、デ-タ収集に一層努力が必要である。愛知県以外にも静岡県など地域別に異なった指標の導入も必要であると思われた。来年度はこれらを改善しさらに研究を発展させたい。
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