研究概要 |
本研究の目的は愛知県、岐阜県,三重県および静岡県の東海地区における市町村歯科保健デ-タ・べ-スを構築するための基礎的研究を行うことである。平成元年度の初年度および次年度の平成二年度にデ-タ・ベ-ス作成のための基本的システムをつくることを検討した。その結果、昭和59年〜61年度のデ-タインプットを若干の分析を行った。そこで,最終年の平成三年度はさらに詳細な分析を行うとともに,その後のデ-タインプットを行った。以下がそのアウトラインである。 昭和59年〜61年度における分析で,ラ蝕経験は愛知県東部の市町村が高く,名古屋市で低くかった。健康診査受診率は市町村の所得,世帯数と負の相関があった。ラ蝕経験者率と一人平均ラ蝕経験歯数は死亡数年関総数と正の相関関係がみられた。さらに,数量化III類による解析では,保健所別では助産婦,保健婦が散分図上,右上,世帯数,人口密度が左下に位置する傾向にあった。市町村別では右土に診療所数,所得,左下に出生数が,世帯数が位置する傾向にあった。したがって,横軸は人口密度,縦軸は都市化の因子であると考えられた。 さらに主成分分析では,保健所別では,医療関係者・病院が図の上方,乳幼児死亡に関するものが図の下方,診療所・薬局,保健婦・助産婦に関するものが右方,結婚・離婚に関するものが左方に位置していた。市町村別では医療関係者・病院が右上,診療所は上方,乳幼児死亡に関するものは右下,がんなどは中央,dmftなどは左方に位置する傾向であった。その後のデ-タについては現在インプットしている段階である。また成人に関するデ-タ収集,および岐阜県,三重県および静岡県のデ-タ収集はできなかった。 いずれにしても,本研究から東海地区における歯科保健デ-タ・ベ-スの構築の必要性および有用性が確認された。
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