研究計画に従い、キラルエポキシアルコ-ル単位を開始官能基(initiating functionality)とするLewis酸触媒下の環化反応とそれを利用するbrefeldin類抗生物質の合成を検討した。まず、1よりアリルアルコ-ル体2に導き、これよりSharpless不斉エポキシ化反応を行い環化前駆体3を合成した。ここで環化反応を種々の条件した検討した結果、Lewis酸としてSnCI_4を用い塩化メチレン中-78°Cで反応させると瞬時に環化が進行し4が二種の立体異性体の混合物(4:1)として良好な収率で生成することを見出した。4はアセトニド化、オゾノリンス、エピ化すると単一のトランス体5に変換出来た。この段階で5の光学純度はNaBH_4環元後MTPAエステルに誘導し、^1HNMRより90%ee以上であると決定できた。続いてアルデヒド体5より7に導き、これよりbrefeldin c(10)の合成を行った。すなわち、7より8を経て側鎖部を順次導入し9となし、これを光延法によるマクロラクトン化後脱保護を行いbrefeldin C(10)の合成に成功した。現在、本手法の適用を拡大する目的でbrefeldin A(11)の合成を検討中である。JAOIKA
|