研究概要 |
1.血小板凝集阻害活性が認められたインドネシア産薬用植物Swietenia mahagoniの種子の子葉のエ-テルエキスをシリカゲルカラムクロマト,プレパラティブTLC,高速液体クロマトグラフィ-を組み合わせて繰り返し分離,精製を行ったところ28種類のテトラノルトリテルペノイド類を単離し,^1H-^1H,^1H-^<13>C,^1H-^<13>C long-range COSYを含む2次元NMRを適用して構造を解析した。このうち,18種類のテトラノルトリテルペノイド類は新化合物である。新化合物中,Secomahoganinと命名した化合物は,C_<(6)>-C_<(7)>結合が酸化的に開裂したと考えられるテトラノルトリテルペノイド類では最初の例であり,生合成的に興味深い化合物である。これらの成果の一部は,現在Chem. Pharm. Bullに投稿中である。次いで,これらのテトラノルトリテルペノイド類について,日本白色種ウサギの総頸動脈より得た血液を用いて血小板凝集抑制作用を検討したところ,Swietemahoninと命名した数種の化合物と2,3のswietenolide類に強い活性が認められた。現在まで知られている血小板凝集抑制作用物質としては,ginkgolide,benzofuranoide neolignan,furanoid lignan類などが知られているが,今回,単離したテトラノルトリテルペノイド類は,これらと全く異なる型の化合物であり,血小板凝集抑制活性に関して新しい観点からの理解を示唆するものとして興味深い。 2.Curcuma xantholizaの5-lipoxygenaseに対する阻害活性成分は,微量でしかも精製困難な化合物であり,現在,分取HPLCにて純粋な物質を得るべく検討中である。
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