| 研究概要 |
1.Swietenia mahagoniの血小板凝集阻害活性成分:Swietenia mahagoniの種子の子葉部のエ-テルエキスが血小板活性化因子(PAF)によるウサギ血小板の凝集に対して阻害作用を示したので,これをシリカゲルカラムクロマト,プレパラティブTLCにより分離,精製を行ない,29種の化合物を単離した.これらの化合物はいづれもテトラノルトリテルペノイド(リモノイド)であり,そのうちの19種は新化合物であった。また,その1種mahagoninは新規2量体リモノイドで,珍しい構造を有する化合物である.これら29種の化合物について,in vitroでのPAFによるウサギ血小板の凝集に対する阻害作用を検討したところ,比較物質のkadsurenoneよりは弱かったが,swietemahonin A,D,E,G,3ー0ーacetylswietenolide,6ー0ーacetylswietenolideの新化合物6種が阻害作用を示した。一方,ICRマウスにPAFを静注して起こる死亡の防護作用では,in vivoテストで,kadsurenoneが活性を示さないのに対して,swietenine A,Eは防護作用を示した.これらの活性を示したリモノイド類は、今まで知られている血小板凝集阻害作用物質とは構造的に異なっており,新しいタイプの活性天然化合物として興味深い.
2.Curcuma xanthorrhizaの5ーlipoxygenase阻害活性成分:この阻害活性成分は微量で精製困難な化合物のため,現在効果的な分離法を検討している.
3.藜蘆(Veratrum nigrum var.ussuriense)および北豆根(Menispermum dauricum)の成分:藜蘆より12種のアルカロイドを単離し,新アルカロイドverussurinine他8種の構造を決定した。北豆根からは,ADPによるウサギ血小板凝集に対して阻害作用を示す3種のアルカロイドを単離し,構造を決定した.
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