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1990 年度 実績報告書

海洋動物由来の親規8ーオキソプリン類の合成

研究課題

研究課題/領域番号 01571148
研究機関金沢大学

研究代表者

藤井 澄三  金沢大学, 薬学部, 教授 (20019649)

キーワードイソギンチャク / 8ーオキソアデニン / 位置選択的ベンジル化 / 位置選択的メチル化 / Dimroth転位 / 水素化分解 / イオン交換
研究概要

ブラジル産のイソギンチャクの1種Bunodosoma caissarum Correa1964の構成成分caissaroneは,1986年にZelnikらによって塩酸塩(I)の形で上記の動物から単離され,Iの化学構造は各種スペクトル分析及びX線解析によって決定されている.Iはウニの卵発生に対して種々の異常を引起すことが知られているが,他の生理活性や生物活性は未検討のように見受けられ,またIの化学合成についても未検討であった.本年度の研究においては,次のようにしてIの合成法を確立することができた.
1.予備実験として,先ず9ーmethylー8ーoxoadenineをPhCH_2Br/AcNMe_2でベンジル化し,得られた1ーbenzyl体を1N NaOH水溶液と共に1時間煮沸することでN^6ーbenzylー9ーmethylー8ーoxoadenine(II)を得た.次に,MeI/AcNMezによるIIのメチル化を検討したところ,メチル化は3位で優先的に起こり,1位では副次的であることが判明した.
2.上記のアルキル化に関する新知見に基いて,前年度の研究で合成することができたN^6,9ーdimethylー8ーoxoadenine(III)を同様の条件下でメチル化すると,3ーMe体・HI塩(IV)(収率50%)及び1ーMe体・HI塩(13%)が得られた.IVを水に溶解し,Amberlite IRAー402(Cl^ー)カラムを通したところ,Iが98%の収率で得られた.こゝに得られたIは,天然のcaissarone塩酸塩のサンプルと直接比較することで,同定することができた.
3.以上の知見は,N^6ーalkylー9ーmethylー8ーoxoadenineにあってはN(3)原子が最も容易にメチル化を受けることを示すものである.また,IIIは9ーmethyladenine(V)から4工程,通算収率57%で得られるので,IはVから6工程,通算収率28%で合成できることを示している.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Tozo Fujii: "Purines.XLIII.A Total Synthesis of the Marine Sponge Base 6ーIminoー1,9ーdimethylー8ーoxopurine." Chem.Pharm.Bull.38. 2146-2150 (1990)

  • [文献書誌] Tozo Fujii: "Purines.XLIV.A Kinetic Study of the Dimroth Rearrangement of the Marine Sponge Purine 1,9ーDimethylー8ーoxoadenine and Related Compounds." Chem.Pharm.Bull.38. 2591-2594 (1990)

  • [文献書誌] Tozo Fujii: "Synthesis of the Sea Anemone Purine Caissarone." Tetrahedron Lett.32. 97-100 (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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