研究概要 |
アザステロイド関連化合物の合成とその抗うつ活性の研究の一環として,前年度に引続き,11,13,15ートリアザステロイド(A)をlead compoundに用い,そのB環及びD環を環拡大したB,Dージホモー11,13,15ートリアザステロイド類(B)を合成したが,これらの化合物は,四環性のもののみならずその前駆体に於いても抗レセルピン活性は認められなかった。続いて,D環の分子修飾の一環として,17位の炭素原子を窒素原子に変換する事によって,D環をイミダゾ-ル環からトリアゾ-ル環に変え,その事による抗レセルピン活性の変化を調べることを目的として,11,13,15,17ーテトラアザステロイド類(C,n=1)を合成し,更にそのBーホモ体(C,n=2)も合成した。その結果,前駆体に活性が認められたばかりではなく,D環に置換基を有しない11,13,15,17ーテトラアザステロイドはB環の大きさに関わらず,抗レセルピン活性が認められ,特にB環が六員環である化合物(C,n=1,R=H)は投与後1時間に於ける抗レセルピン活性が,市販の抗うつ薬の一種であるイミプラミンを上回った。続いてCの17位の窒素に対してNーオキシド化を行ったが,この位置をオキシド化された化合物(D)の中に抗レセルピン活性を示すものはなく,活性を減ずるのみであった。
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