研究概要 |
Premna odorata(ルソンウヲクサギ)はクマツヅラ科植物でありフィリピン個有種とされている。その葉は現地でAlagauと呼ばれ去痰や咳どめを目的として用いられている。またその近縁種であるPremna japonica(ハマクサギ)は本邦南西部に自生し、中国では解熱や止血等に薬効があるとされている。本研究ではこれら薬効の本体を探るとともにそれらの植物に含有される成分の検索を行っている。P.odorataの葉をメタノ-ルで抽出し、順次溶媒分画を行いブタノ-ル可溶画分を得た。この画分をダイヤイオンHP-20、シリカゲル、DCCC、prep.HPLCにより精製し、すでに報告した6-0-α-Lー(2″-0-caffeoyl 及び3″-0-caffeoyl)rhamnopyranosylcatalpolsを得ると共にPremonosides A-Dと称する化合物を得た。これらの化合物はIR,UV,MASS,IH-NMR,I3C-NMR等のスペクトルを解析することにより、ラムノシルカタルポ-ルのジアシル誘導体と判明し、それぞれ(2″-0-,3″-0-caffeoyl,feruloyl),(2″-0-,3″-0-caffeoy1,p-coumaroyl)および(2″-0-,3″ー0-feruloyl,p-coumaryl)と決定した(文献1)。ハマクサギは徳島県と広島県で採集し先と同様に処理した。徳島県産から既に3種の既知物質と共に5種の新規化合物が得られ、それらはいずれもラムノシルカタルポ-ルのアシル化誘導体であった(文献2、3、4)。更に検討を進め数種の新規化合物と思われる物質を単離しており、その構造決定を行っている。また本邦南西諸島にはPremna corymbosa(タイワンウヲクサギ)が生育しており、この植物の成分検討にも興味がもたれ鋭意入手に努力している。
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