研究概要 |
Premna odorata(ルソンウヲクサギ)はクマツヅラ科植物でありフィリピン個有種とされている。その葉は現地でALagauと呼ばれ去痰や咳どめを目的として用いられている。またその近縁種であるPremna japonica(ハマクサギ)は本邦南西部に自生し、中国では解熱や止血等に薬効があるとされている。本研究ではこれら薬効の本体を探るとともにそれらの植物に含有される成分の検索を行っている.P.odorataの葉より、すでに報告した6種のrhamnopyranosylcatalpol誘導体を得ると共にPremnaodorosides A and Bと称する化合物を得、その構造を10ーhyroxygeraniolに2分子のイリドイド配糖体がエステル結合した化合物であると決定した。。ハマクサギは徳島県と広島県で採集し先と同様に処理した。徳島県産から既に3種の既知物質と共に5種の新規化合物が得られ、それらはいずれもラムノシルカタルポ-ルのアシル化誘導体であった(文献2、3、4)。更に検討を進め本年度、数種の新規化合物を単離し、その構造決定を行た(文献5)。また本邦南西諸島にはPremna corym bosa(タイワンウヲクサギ)が生育しており、この植物の成分検討にも興味がもたれたので、平成2年8月沖縄本島に赴き、本植物を採集した。本植物は形態的にはハマクサギより、ルソンウヲクサギに類似している。葉部の成分検索により、acteoside,6ー0ーαーLー(2"ー0ーpーcoumaroyl)rhamnopyranosylcatalpolと共にacteosideのいずれかの水酸基にイリドイド配糖体がエステル結合した様な化合物を得ており、これも新規化合物と考えられ、現在構造決定を急いでいる。
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