研究概要 |
ラクトーNーヘキサオ-ス(1)の合成としては、まず、ベンジル βーラクトシド(2)から出発し、Cー3'位をアリル基で選択的に保護した後、ベンジリデン化、ベンジル化し、ベンジリデンアセタ-ルを水素化リチウムアルミニウムと塩化アルミニウムで開裂し、Cー6'位に遊離の水酸基を在する(3)を得た。(3)にNーアセチルラクトサミンのオキサゾリン体を1,2ージクロロエタン中p‐トシル酸触媒下、60゚Cで19時間反応させ、73.1%の収率で四糖誘導体(4)を得た。(4)を脱アリル化後、ラクトーNービオ-スIのオキサゾリン体を先と同じ条件下で縮合させると六糖誘導体(5)が36.2%の収率で得られた。(5)を脱ベンジル化、脱アセチル化すると所期の目的化合物である(1)が78.9%の収率で得られた。 次に、パラ-ラクトーNーネオヘキサオ-ス(6)の合成については、(2)から出発し、種々の化学修飾を行い、環元末端からの二糖に相当するCー3',4'ジオ-ル体(7)を得た。真中の二糖部分は、ラクタ-ルにアジドナイトレ-ション、Cー1位の保護、環元、フタルイミド化、そして、Cー1位の脱保護を行い、βーアセテ-ト(8)を得た。また、Cー3'位を選択的にアリル化後、Cー1位を脱保護するとβーアセテ-ト(9)が得られた。(7)と(9)を1,2ージクロロエタン中、ー15〜ー20℃でトリメチルシリルトリフレ-トを用いて縮合させ、49%の収率(原料回収を差し引くと74%)で四糖誘導体(10)を得た。(10)を脱アリル化後、(8)を先と同じ条件下で縮合させると収率21%で保護された(6)が得られた。実験はここまで進んでいるが、これから先フタルイミド基をNーアセチル基にかえ、脱保護すると所期の目的の(6)が得られるものと考えられる。なお、備品として購入したエバポレ-タ-は、故障もなく、実験の効率を大いに高めている。
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