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1989 年度 実績報告書

トルエン誘導体から共役トリエンへの直接変換反応とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 01571160
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

佐藤 義郎  名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (80080183)

キーワードベンジルアミン / アンモニウム塩 / N-イリド / Sommelet-Hauser転位 / Stevens転位 / 共役トリエン / 環拡大 / シグマトロピ-転位
研究概要

分子内にN-ベンジル基とN-[1-(トリミチルシリル)]アルキル基を有する四級アンモニウム塩にDMFあるいはHMPA溶媒中でフッ化セシウムを室温で反応させると、フッ素イオンのケイ素への求核攻撃によってケイ素-炭素結合が切断されて、炭素アニオンがケイ素の結合していた炭素上に位置特異的に存在するアンモニウムイリド中間体が発生する。そして、このイリドは一旦[2,3]シグマトロピ-転位体して共役トリエン機構を持つ、Sommelet-Hauser転位中間体が得られる。本研究では、分子機構と共役トリエン骨格上の置換基がトリエンの安定性にどの様な影響を与えるかを調べた。その結果を以下に列挙する。
1.ベンジル基のベンゼン環のpara位の置換基と共役トリエンの安定性の関係を調べた。その結果、メトキシ置換体が最も安定で電子供与性が低下するほど不安定となる。ニトロ基ではトリエン中間体の存在すら感知出来なくなる。安定性は置換基のハメットα値との間に負の相関関係がある事を明らかにした。
2.イリドアニオンとなる炭素が2級炭素であるとStevens体のみが生成しSommelet-hauser転位体はほとんど生成しなくなった。このStevens転位は従来の定説であった。イリドの[1,2]ラジカル転位により直接生成するのではなく、一旦[2,3]シグマトロピ-により共役トリエンとなった後、[1,3]ラジカル転位により生成することを明らかにした。
3.2位にフェニルを持つ5〜7員環状アンモニウム塩からメチリドの生成を行った。その結果共役トリエン構造を持つ8〜10員環状アミンが高収率で得られた。これらのトリエンは、何れもアルカリの存在でSommelet-Hauser転位体に異性化するが、酸では8と10員環同様に芳香化するのに、9員環は開環してしまうなど、数多くの重要な新知見を得た。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Naohiro Shirai: "Rearrangement of 1-Methy1-2-(substituted-phenyl)piperidinium 1-Methylides in a Neutral Medium" The Journal of Organic Chemistry. 54. 836-840 (1989)

  • [文献書誌] Seiji Okazaki: "Chemical Behavior of N-Alkyl-N-methylbenzylammonium N-Alkylide" The Journal of Organic Chemistry. 55. 334-337 (1990)

  • [文献書誌] Naohiro Shirai: "Intermediate in Sommelet-Hauser Rearrangement of N,N-Dimethylbenzylammonium N-Methylides" The Journal of Organic Chemistry. 55. (1990)

  • [文献書誌] Fumihiko Sumiya: "Conjugated-Triene Intermediates in the Sommelet-Hauser Rearrangement of 1-Methy-2-phenylcycloammonium 1-Methylides" Journal of Heterocylic Chemistry.

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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