研究概要 |
研究の進展状況:平成元年度研究実施計画に基づき、ビシクロ[3,3,1]ノナン骨格の構築を検討した(下図)。pheylthio酢酸誘導体をペンテニル化(NaH/1-bromo-5-pentene/DMF)し(1)を得た。スルホキシド(2)へ変換後、無水トリフロオロ酢酸で処理すると、予想どおり環化反応が進行し(3)が得られた。酸クロライド(4)へ変換後、1,4-ジブロモベンゼンあるいは1,4-ジメトキシベンゼン存在下、Friedel-Crafts反応を各種ルイス酸を用いて検討した。しかしながら、目的とするアシル化体(5)の生成は認められず(4)が分解するのみであった。さらに、酸クロライド(7)の同様のFriedel-Crafts反応でも目的とするアシル化体(8)は得られず、環化成績体(9)が生成するのみであった。平成元年度研究計画によるビシクロ[3,3,1]ノナン骨格の構築はきわめて困難であることが明らかとなった。現在、別途ル-トによる(6)の合成を検討中である。更に、(10)型化合物の合成およびのそ熱反応を利用する(11)型化合物の合成を検討中である。
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