研究課題/領域番号 |
01571169
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研究機関 | 北陸大学 |
研究代表者 |
土屋 隆 北陸大学, 薬学部, 教授 (20100505)
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研究分担者 |
角沢 直紀 北陸大学, 薬学部, 助手 (20185721)
栗田 城治 北陸大学, 薬学部, 助教授 (80100494)
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キーワード | 高ひずみ化合物 / 原子価異性化 / 環変換 / 7員複素環 / 8員複素環 / ジアゼピン / オキシアゼピン |
研究概要 |
骨格に3員環や4員環を含む化合物は、その高いひずみエネルギ-の解消が推進力となってより安定な環へ原子価異性化する。これを有機合成、特に医薬品開発の基礎となる複素環化合物の合成に利用し、次の種々の新規複素環の合成に成功し、さらに引続き発展中である。 1.7員複素環の合成:酸素や窒素原子を含む種々のトリシクロヘプタン化合物を2-ピリドン類などから合成し、これらの熱異性化により1.4-オキシアゼピノンやジアゼピノン類への変換に成功し、さらに完全不飽和な対応するオキシアゼピンやジアゼビン類へ誘導し、これらの化学を発展させた。 2.8員複素環の合成:種々のヘテロ原子を含むベンゾトリシクロオクタン類をインド-ルやベンゾフラン類より合成し、これらの熱異性化により、ベンゾジオキソシン、ベンゾジアゾシンやベンゾチアゾシンなどの新規8員複素環化合物の合成に成功した。この熱反応では8員環生成のほかに2つの5員複素環の縮合した化合物への転移反応が競争的に起こり、どちらが優先するかは含まれるヘテロ原子の種類と位置に大きく左右されることを一部明らかに、さらに詳細に検討中である。 3.高ひずみ化合物を中間体とする合成:比較的安定な高ひずみ化合物を合成してこれらの異性化を利用するほかに、反応過程で不安定中間体として高ひずみ構造を経由する場合も同様にその異性化を利用して環変換が可能である。芳香環にアジド基を有するものは熱や光で容易に脱窒素して生じるニトレンが分子内で付加し3員環を形成する。これを利用してジアジドナフタレン類からアゼピノアゼピン類(ジアザヘプタレン)ピリジンやピリダジンのアジド類から種々のジアゼピンやトリアゼピン類、キノリンアジド類から1.4-ベンゾジアゼピン類などへのそれぞれの環変換に成功した。
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