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1989 年度 実績報告書

脳血管治療薬の開発を目的としたアルキルチオフロピリドンの有効利用

研究課題

研究課題/領域番号 01571171
研究機関神戸女子薬科大学

研究代表者

内藤 猛章  神戸女子薬科大学, 薬学部, 教授 (00068339)

研究分担者 宮田 興子  神戸女子薬科大学, 薬学部, 講師 (90102110)
木口 敏子  神戸女子薬科大学, 薬学部, 講師 (70068344)
キーワード老人性痴呆 / 脳血管性痴呆 / アルツハイマ-型痴呆 / 抗ムスカリン作用 / アルキルチオフロピリドン / ピペリジンアルカロイド / ビンカアルカロイド
研究概要

まず脳血管性痴呆及びアルツハイマ-型痴呆の治療薬の合成のための共通中間体に想定したアルキルチオフロピリドン体の大量合成法の開発を行なった。すなわち目的のフロピリドン骨格構築法として最も有効と考えられるアルキルチオエナミドの還元的光閉環反応を検討し至適条件を確立した。
まず安価な脂肪酸よりチオアミド化、アルキル化、そしてアシル化により簡単に得られるアルキルチオエナミドを水素化ホウ素ナトリウムなどの存在下での光照射を行なった。得られた粗生成物を、設備備品費で購入した波長可変UV検出器付中圧カラムクロマトで分離精製を試みたところ目的のアルキルチオフロピリドン体が非常に簡単にしかも高収率で得られた。次に大量合成できたアルキルチオフロピリドン体に含まれる代表的官能基であるアルキルチオ部分およびラクタムカルボニル基への反応性を検討した。その結果、アルキルチオ基を足がかりとした炭素一炭素結合反応及びアルキルチオ基を一旦アルコキシ基に変換後、炭素一炭素結合反応を行なうことができた。またラクタムカルボニル基のα位への炭素鎖導入にも成功した。このようにして、アルキルチオフロピリドン体に含まれるいくつかの官能基を足がかりとした炭素一炭素形成反応を開発するとともに、この反応を応用して薬理活性を有するアルカロイド、キニ-ネやアジマリシンの形成合成を行なった。更に、この反応を分子内閉環反応へと拡張し、薬理活性を有するインドロキノリチジン誘導体の合成も行なった。
以上のように、本年得られた結果を綜合的に判断すると、アルキルチオフロピリドン体がいくつかのアルカロイドの合成中間体として、また脳代謝賦活作用薬や抗ムスカリン薬などの合成中間体として有望であることを確認できた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 内藤猛章: "Alkaloid synthesis Using Furopyridone as Synthon--Synthe-sis of Key Intermediates for the Syntheses of(±)-Quinine.(±)-Ajmalicine,and(±)-7-Demethyltecomanine--" Heterocycles. 27. 1321-1324 (1988)

  • [文献書誌] 内藤猛章: "Intramolecular Cylization of Methylthiofuropyridones" Heterocycles. 29. 459-462 (1989)

  • [文献書誌] 内藤猛章: "Photocyclization of Enamides.Part 32.Alkaloids Synthesis Using Furopyridone as Synthon--Synthesis of Key Intermediates for the Synthesis of(±)-Quinine,(±)-Ajmalicine,and(±)-7-Demethyltecomanine--" Chem.Pharm.Bull.

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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