研究概要 |
本年度は、当初の計画通り、申請者がこれ迄に見いだしてきた多種類の生理活性アミンの特異的蛍光試薬を活用して、以下のような研究成果を得ることができた。 1.ポリアミンの選択的蛍光試薬である1,2-dibenzoy1-1,4-dihydrobenzene(DBDB)をプレラベル化試薬として用いるプトレッシンのHPLCを確立し、この方法を利用してアイソト-プを必要としないオルニチン脱炭素酵素活性の簡易で高感度な測定法を導くことに成功した。 2.申請者が開発した4-bromo-1,2-benzenedicarbaldehyde(BBDA)がヒスタミンに極めて特異的な蛍光試薬であることを確認するとともに、この試薬を用いて胃粘膜や肝臓などの組織中のヒスタミンの簡易定量法(用手法)を確立した。 3.ヒスタミンの高感度蛍光試薬である2-acetybenzaldehyde(ABA)をプレラベル化試薬として利用するHPLC法を開発し、この方法が血液や組織中のヒスタミンの高感度測定法として利用できることを示した。 4.同様に、上記のABAは、反応条件を適切に選択すれば、グルタチオンの特異的蛍光試薬としても利用てきるので、この試薬を用いてグルタチオンの簡易蛍光定量法を開発し、血液および組織血をグルタチオンの測定に応用できることを示した。 なお、上記方法のいくつかについては、フロ-イインジェクション分析法(FIA法)に適用することにより、測定の自動化、高速化とともに高感度化が達成できる見通しが既に得られている。
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