研究課題/領域番号 |
01571189
|
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
本田 進 近畿大学, 薬学部, 教授 (50028841)
|
研究分担者 |
鈴木 茂生 近畿大学, 薬学部, 助手 (00154542)
掛樋 一晃 近畿大学, 薬学部, 助教授 (30101405)
|
キーワード | 高速液体クロマトグフィ- / 超微量分析 / 電気化学的検出 / パルスアンペロメトリ- / ニッケル電極 / 金電極 / 糖類 / 糖タンパク質糖鎖 |
研究概要 |
研究計画に沿い、金属電極を用いる酸化を利用した糖類の高感度検出の基礎研究を行い、パルス印加方式をとり入れて糖タンパク質糖鎖のピコモルレベルでの分析を実現することができた。以下に概要を述べる。 1.ニケッル電極上での電解酸化 ニッケル電極を試作し、種々の条件下で電解効率を調べた結果、強アルカリ水溶液が最も高い効率を与え、この電解酸化がNiO(OH)を経由する一連の反応に基づくものであり、水産基、アミノ基、スルフヒドリル基等の検出に有効であることがわかった。有機溶媒の添加は酸化反応を抑制するが、この抑制効果を最小限にとどめる条件もつきとめた。これらの結果に基づき、高速液体クロマトグラフィ-の種々のモ-ドで分離された糖をこの方法で検出したところ、ピコモルレベルでの定量が可能であった。 2.パルスアンペロメトリ-による糖鎖分析 金電極を用い、正電位で2段、負電位で1段のパルス電圧を一定周期で与え、第1段パルスの電解電位で発生する電流をシュミレ-トする方法により、糖質の微量検出を行うことができた。この方法は再現性がよく電極の耐久性も抜群であったので、糖タンパク質糖鎖を強アルカリを溶離液とする陰イオン交換クロマトグラフィ-で分離する系と結合させたところ、高性能パタ-ン分析が可能となった。この結果に基づき、種々の糖タンパク質にこの方法を適用したところ、生化学的に興味がもたれる多数の貴重なデ-タを得ることができた。この研究はさらに発展して、現在Johns Hopkins Uniuersity(アメリカ合衆国)のY.C.Lee教授との共同研究に発展している。
|