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1990 年度 実績報告書

癌化肥満細胞におけるG蛋白質とホスホリパ-ゼの役割に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 01571201
研究機関京都大学

研究代表者

福井 哲也  京都大学, 薬学部, 助教授 (90111971)

研究分担者 市川 厚  京都大学, 薬学部, 教授 (10025695)
キーワード細胞質G蛋白質 / G蛋白質 / 癌化肥満細胞
研究概要

Pー815細胞の細胞質G蛋白質について検討し、次の結果を得た。
(1)細胞質G蛋白質の構造、および諸性質:癌化肥満細胞mastocytoma Pー815の細胞膜、および細胞質上清に存在する百日咳毒素基質は、抗G蛋白質αサブユニット抗体を用いたイムノブロット法により、Gi_2αと同定された。またG蛋白質に共通のβγに対する抗体により、細胞質G蛋白質はβγを含まないことが確認された。また種々の蛋白質化学的検討により、膜画分と細胞質上清画分のGi_2αは同じ物であることが推定された。細胞質のGi_2αを含む成分は、ゲル瀘過により、Gi_2α単独の分子量4万より大きい約10万と求められ、βγ以外の蛋白質と複合体を形成している可能性が示唆された。(2)Gi_2αの細胞膜から細胞室への遊離移行を起こす因子:Pー815細胞の膜をGTPγSで処理すると、Gi_2αがわずかに細胞質側に遊離される現象が観察されたが、この際、細胞質上清が存在すると膜Gi_2αの約半分が遊離し、βγは膜に留まっていることがわかった。またこの遊離はGTPやGTPγSに特異的で、Gi_2を活性化しないGDP、ATP、ADPなどでは起こらず、遊離にはGi_2αがGTP結合型に活性化されることが必須であるものと推定された。(3)遊離した細胞膜Gi_2αの、細胞質Gi_2α複合体への変換:細胞質とGTPγSの作用により膜から遊離したGi_2αの分子量をゲル瀘過法により求めたところ、上述の細胞質のG蛋白質と同じ10万と求められた。GTPγS単独による遊離の場合、その分子量は4万であったので、この結果は遊離したGi_2αが細胞質中の因子と相互作用し、細胞質Gi_2α複合体となることを示唆している。
以上の結果より、この因子は癌化肥満細胞においてG蛋白質量の調製により情報伝達の制御を行う、重要な蛋白質であることが推定された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Hitoshi Hashimoto: "Identification of a prostacyclin receptor coupled to the adenylate cyclase system via a stimulatory GTPーbinding protein in mouse mastocytoma Pー815 cells" Prostaglandins. 40. 491-505 (1990)

  • [文献書誌] Satoru Takahashi: "Cytosol promotes the guanine nucleotideーinduced release of the α subunit of Gi_2 from the membrane of mouse mastocytoma Pー815 cells" Journal of Biological Chemistry.

  • [文献書誌] Satoru Takahashi: "Characterization of cytosolic pertussis toxinーsensitive GTPーbinding protein in mastocytoma Pー815 cells" Biochimica Biophysica Acta.

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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