研究課題/領域番号 |
01571202
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
三浦 喜温 大阪大学, 薬学部, 教授 (50028825)
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研究分担者 |
平田 收正 大阪大学, 薬学部, 助手 (30199062)
宮本 和久 大阪大学, 薬学部, 助教授 (30028849)
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キーワード | ニチニチソウ / 茎葉器官培養 / アルカロイド / 近紫外光 |
研究概要 |
本年度は、前年度の高アルカロイド生産能を有する茎葉器官培養株のスクリ-ニングにより得られた株を用いて、vinblastineをはじめとする抗腫瘍性アルカロイド及びvindoline、catharanthineの生産に対する光照射や植物ホルモンを中心とした培養環境因子の影響について検討を行った。その結果、vinblastin、leurosineといった抗腫瘍性アルカロイド生産に対して370nmに極大波長を持つ近紫外光の照射が効果的であること、及びvindoline、catharanthineの生産に対して近紫外光を含まない培養光の強光照射が有効であることが明らかとなった。そこで、さらにこれらの点について詳しく調べ、vindoline、catharanthineを十分に畜積させ、続いてこれらから効率良く抗腫瘍性アルカロイドを生産させることができる光照射条件を確立することを試みた。現在までのところ、一応有効な条件は設定できたが未だ十分とはいえないので、今後も検討を継続する予定である。 また茎葉器官培養株の大量培養を行うための予備的検討として、小規模での液体培養について検討を行った。その結果、4週間程度の短期間の培養ではアルカロイド生産能及び増殖に大きな影響は認められなかったが、長期間培養を続けるとアルカロイド生産及び増殖は著しく低下することが明らかとなった。今後この点を改善するために、培地成分、通気、攪拌、光照射などの培養条件の影響についてさらに詳しく検討を行う予定である。 本年度は備品として人工気象器(既存)内で使用できる振盪培養機を購入し、茎葉器官培養株の液体培養についての検討に使用した。この振盪器の使用によって、温度及び光照射条件を一定に保ちながら種々の培地成分の影響を一時に調べることが可能となった。
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