研究課題/領域番号 |
01571202
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
三浦 喜温 大阪大学, 薬学部, 教授 (50028825)
|
研究分担者 |
平田 収正 大阪大学, 薬学部, 助手 (30199062)
宮本 和久 大阪大学, 薬学部, 助教授 (30028849)
|
キーワード | ニチニチソウ / インド-ルアルカロイド / 茎葉器官培養 / 植物ホルモン / 光照射 / 液体培養 |
研究概要 |
Vindolineとcatharanthineからのvinblastine生合成反応を前半部のiminium中間体生成までの反応と、後半部のvinblastine生成反応に分けて検討した。その結果、まず前半部のvindolineとcatharanthineの縮合反応が、FMN存在下近紫外光照射によって非酵素的に起こることが明かとなった。しかもペルオキシダ-ゼによる縮合反応の場合と異なり、この非酵素的縮合は可視部の光の照射では全く進行しなかった。茎葉器官培養株におけるvinblastine生成も同様に近紫外光照射によって特異的に促進されることから、生体内における2量体アルカロイド生成のためのvindolineとcatharanthineの縮合反応も非酵素的に起こっている可能性も考えられる。次に後半部分の反応を触媒する「vinblastine合成酵素」の検索を行った。その結果、硫安飽和30から50%の分画にこの酵素の存在を示唆するvinblastine生成活性が認められたが、その精製には至らなかった。またこの検討の過程で、NADHがiminum中間体からvinblastineを生成する作用を持つことも明かとなった。今後はさらに「vinblastine合成酵素」の精製を進め、vindolineとcatharanthineからのvinblastineの生成反応の全容を明らかにし、さらに制御を可能とすることによって、効率的な抗腫瘍性2量体アルカロイド生産方法の確立を目指したい。 茎葉器官培養株の液体培養について検討を行った結果、ジャ-ファメンタを用いての短期間の気液培養が可能となった。しかし、この方法の大量培養法としての有用性を判断するためには、アルカロイド生産性の評価や総合的な培養コストの評価を待たなければならず、今後はこの点について詳しく検討を進める必要があると考えられる。
|