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1990 年度 実績報告書

マクロファ-ジのリポポリサッカリド受容体欠損変異株の分離と受容体の精製

研究課題

研究課題/領域番号 01571231
研究機関国立予防衛生研究所

研究代表者

西島 正弘  国立予防衛生研究所, 化学部, 室長 (60072956)

研究分担者 赤松 穣  国立予防衛生研究所, 化学部, 部長 (00072900)
キーワードマクロファ-ジ / リポポリサッカリド / 受容体 / 変異株 / リピドA
研究概要

マクロファ-ジはリポ多糖(LPS)により刺激され、種々の機能を発現することが知られている。しかし、このLPS刺激反応のメカニズムは極めて複雑であり、不明な点が多く残されている。LPS刺激の細胞内伝達機構はまったく不明であり、その初発反応に関与すると推定されるLPSに対する受容体の実体も未だ明らかにされていない。私共は、昨年度、マクロファ-ジにおけるLPS刺激伝達反応の分子機構を明らかにする目的で、マクロファ-ジ由来培養細胞株J774.1よりLPS刺激応答能損傷変異株を分離した。そして、その変異株の遺伝生化学的解析および ^<125>Iー標識光親和性架橋剤LPSを用いた実験により、J774.細胞に2種類のLPS結合タンパク質、55kDaおよび65kDaを同定した。今年度はLPSリセプタ-の可溶化と精製を行い、以下の結果を得た。
1.LPSレセプタ-精製への試みの第一段階として、J774.1細胞より膜分画を調製し、それを用して ^<125>IーLPS結合を測定する系を確立した。その結果、この結合にはMg^<2+>が必須であることが明かとなった。
2.in vitro系においても、J774.1細胞には高親和性および低親和性の2種類のLPS結合部位が存在し、一方、LRー9株は高親和性のLPS結合部位を欠損することを明らかにした。
3.J774.1細胞の膜画分を種々の界面活性化剤で処理した結果、LPS結合活性は0.5%SDSでほぼ100%可溶化された。SDS可溶化蛋白質をゲル瀘過カラムにかけた結果、分子量45ー65KDaのところにLRー9株には見られないMg^<2+>依存性のLPS結合活性が検出された。この活性画分を集め、LPSーセファロ-ス4Bアフィニティカラムで更に精製を行った。最終標品をSDSーPAGEで分析した結果、分子量55KDa及び65KDaの2種類の蛋白質が主要成分として検出された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] S.Kuge,F.Amano,M.Nishijima,Y.Akamatsu: "Isolation of a Lipopolysaccharide (LPS)ーresistant Mutant,with Defective LPS Binding,of Cultured Macrophageーlike Cells" J.Biol.Chem.265. 6606-6610 (1990)

  • [文献書誌] K.Hasegawa,Y.Anraku,M.Kasahara,Y.Akamatsu,M.Nishijima: "Isolation and Characterization of Chinese Hamster Ovary Cell Mutants Defective in Glucose Transport" Biochim.Biophys.Acta. 1051. 221-229 (1990)

  • [文献書誌] Y.Ohaga,M.Nishijima,Y.Akamatsu: "Chinese Hamster Ovary Cell Mutants Defective in myoー Inositol Transport" J.Biol.Chem.265. 18083-18086 (1990)

  • [文献書誌] K.Hanada,M.Nishijima,Y.Akamatsu: "A Temperatureーsensitive Mammalian Cell Mutant with Thermolabile Serine Palmitoyltransferase for the Sphingolipid Biosynthesis" J.Biol.Chem.265. 22137-22142 (1990)

  • [文献書誌] O.Kuge,M.Nishijima,Y.Akamatsu: "A Cloned Gene Encoding phosphatidylserine Decarboxylase Complements the Phosphatidylserine Biosynthetic Defect of a Chinese Hamster Ovary Cell Mutant" J.Biol.Chem.266. (1991)

  • [文献書誌] M.Shiozaki,Y.Kobayashi,M.Arai,N.Ishida,Y.Hiraoka,M.Nishijima,S.Kuge,T.Ohtsuka,Y.Akamatsu: "Synthesis of 3ーEther Analogue of Lipid A" Carbohdr.Res.

  • [文献書誌] 西島 正弘他共訳: "生体膜ー分子構造と機能" シュプリンガ-・フェアラ-ク東京(株), 526 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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