研究概要 |
1.LPSリセプタ-欠損変異株の分離とその解析 (1)J774.1細胞よりLPS耐性株を15株分離した。これらのうち、LRー9.1株はLPS結合能に異常が認められた。また、LRー9.1株はLPSにより活性化されず、ザイモザン、TPAにより活性化された。 (2)親株とLRー9.1株の解析からJ774.1細胞のLPS結合部位に関し、以下の結果を得た。 (i)J774.1細胞には高親和性と低親和性の2種類のLPS結合部位が存在した。 (ii)LRー9.1株は高親和性LPS結合能を欠損していた。 (iii)高親和性LPS結合はリピドA,IV_A,Xにより阻害された。 (iv) ^<125>Iー標識光親和性架橋剤LPSを用いた実験により、J774.細胞に2種類のLPS結合タンパク質、55kDaおよび65kDaを同定した。 2.LPSリセプタ-の可溶化と精製 (1)LPSレセプタ-精製への試みの第一段階として、J774.1細胞より膜分画を調製し、それを用いて^<125>IーLPS結合を測定する系を確立した。その結果、この結合にはMg^<2+>が必須であることが明かとなった。 (2)in vitro系においても、J774.1細胞には高親和性および低親和性の2種類のLPS結合部位が存在し、一方、LRー9株は高親和性のLPS結合部位を欠損することを明らかにした。 (3)J774.1細胞の膜画分を種々の界面活性化剤で処理した結果、LPS結合活性は0.5%SDSでほぼ100%可溶化された。SDS可溶化蛋白質をゲル濾過カラムにかけた結果、分子量45ー65KDaのところにLRー9株には見られないMg^<2+>依存性のLPS結合活性が検出された。この活性画分を集め、LPSーセファロ-ス4Bアフィニティカラムで更に精製を行った。最終標品をSDSーPAGEで分析した結果、分子量55KDa及び65KDaの2種類の蛋白質が主要成分として検出された。
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