研究課題/領域番号 |
01571235
|
研究機関 | 高知医科大学 |
研究代表者 |
北添 康弘 高知医科大学, 医学部付属医学情報センター, 教授 (90112010)
|
研究分担者 |
栗原 幸男 高知医科大学, 医学部付属医学情報センター, 助手 (00215071)
古谷 博史 高知医科大学, 医学部付属医学情報センター, 助教授 (80145151)
山本 晧二 高知医科大学, 医学部付属医学情報センター, 助教授 (00112269)
|
キーワード | 医療デ-タベ-ス / 肝疾患の長期時系列解析 / 薬効の評価 |
研究概要 |
高知医科大学総合医療情報システムに蓄積されている病歴デ-タを使って、慢性肝炎から肝硬変に至る病状・病態の長期(開院以来8年間)時系列解析を実行した。まず、統計処理により慢性肝炎と肝硬変を判別するベストマ-カ-を検出し、コリエンステラ-ゼ単独で88%の判別能力があり、従来のGOT-GPT比より(77%)成績が良いことが判明した。更にこの検査項目を使って、病態の異なる多数の症例デ-タと最適適合法を用いて時系列的に配置し、最終的に慢性肝炎の初期(コリエンステラ-ゼの値:約300)から肝硬変の末期(コリエンステラ-ゼの値:数10)に至る長期(30年間)の病状変化の特性曲線を作成した。その結果、新しい症例に対し、この特性曲線と比較することにより、病状の程度とその進行の予測をすることが可能となった。 次に、慢性肝炎及び肝硬変患者に対して、本学付属病院で使用している薬剤の治療効果に対する評価を行った、通常、これらの薬剤は、GPTの値を下げることで厚生省より認可されている。しかし、GPTの値の変動は非常に大きく、病気の治療との関連が従来よりはっきりしていない。そこで本研究では、まずGPTとコリエンステラ-ゼとの関連をデ-タベ-スを用いて調べ、GPTの値が100を超すと急にコリエンステラ-ゼの値が減少し始め、100以下では逆にわずかであるが増加することが明らかとなった。このことから、GPTの値を薬物により常に100以下に制御することがこの病気の進行をストップする上で非常に重要であることがわかった。このような観点から、本学付属病院で使用している6種類の薬剤の内GPTの値を効果的に下げる薬を長期時系列解析を用いて調べた。その結果、2種類の薬に有意の差で薬効が認められた。
|