研究課題/領域番号 |
01571236
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
宮田 敏行 九州大学, 理学部, 助手 (90183970)
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研究分担者 |
仁保 喜之 九州大学, 医学部, 教授 (60091287)
斎藤 英彦 名古屋大学, 医学部, 教授 (20153819)
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キーワード | 先天性異常症 / 血友病 / 第IX因子 / フィブリノ-ゲン / 血液凝固異常症 |
研究概要 |
(1)IX因子Fukuokaの構造解析:異常症の患者から採血し、その血漿からモノクロ-ナルヒトIX因子抗体セファロ-スカラムを用いて、異常分子を精製した。異常IX因子を還元ピリジルエチル化後、トリプシン消化を行ない、逆相系高速液体クロマトグラフィ-を用いて、ペプチドマップを作成し、正常のものと比較した。異常ペプチドについては、全てのピ-クについてアミノ酸分析を行なった。その結果、ペプチドK7でAspが1残基少なく、Hisが1残基多いことが判明した。そのアミノ酸配列を決定した結果、Asn-92がHisに置換していることが明らかとなった。IX因子Fukuokaに見い出された置換部位は第2EGF様ドメイン中に位置し、非常に興味深い。 (2)フィブリノ-ゲンFukuokaの構造解析:異常症の患者から採血し、血漿を調製した。硫安沈澱法を用いた常法にしたがって異常フィブリノ-ゲンを調製した。トロンビンを作用させてフィブリノペプチドを遊離させ、逆相系HPLCでフィブリノペプチドを分別したところ、異常フィブリノ-ゲンではフィブリノペプチドA、Bに加えて新しいピ-クが検出された。このペプチドのアミノ酸分析、配列分析より、異常フィブリノ-ゲンはArg-16がHisに置換していることが明らかとなった。 (3)IX因子Nagoya3の構造解析:IX因子Fukuokaの場合と同様の方法を用いて構造解析を行なった結果、Arg-145がHisに置換していることが明らかとなった。これまで同部位の置換は、Chapell Hill、Chicago 2のArg→His置換と、Albuquerque、CardiffのArg-Cys置換が報告されている。IX因子Nagoya3は、XIa因子による切断部位であるArg-145がHisに置換することにより、IX因子の活性化が傷害されていると推察した。
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