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1991 年度 実績報告書

ヒト血小板による細胞傷害反応についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 01571242
研究機関愛媛県立医療技術短期大学

研究代表者

岡田 真理子  愛媛県立医療技術短期大学, 臨床検査学科, 助教授 (60111118)

研究分担者 富永 彬生  愛媛県立医療技術短期大学, 臨床検査学科, 助教授 (90036450)
佐川 輝高  愛媛県立医療技術短期大学, 臨床検査学科, 助手 (90162320)
キーワード血小板 / 腫瘍細胞瘍害反応 / トロンビン活性化 / 透過型電顕 / 免疫電顕 / GMPー140
研究概要

すでに私達は血小板をトロンビンで活性化すると溶血活性が誘導されること、その溶血活性は活性化血小板により持続的に合成されて遊離される膜透過性り物質により担われていること、を見いだしているが、このような溶血活性と、静止血小板による腫瘍細胞傷害活性が共通のメカニズムあるいはエフェクタ-を介しているかを検討した。トロンビンで活性化した血小板も静止血小板と同程度のKー562細胞傷害活性がみられた。透過型電顕にて傷害を受けたKー562細胞を観察すると、静止血小板による細胞傷害と同様なnecroticな変化が認められた。しかし、静止血小板ではみられた標的細胞との結合は活性化血小板ではみられなかった。予備的な実験であるが、メンブレンフィルタ-によって、静止血小板と標的細胞を隔離すると細胞傷害反応は起こらなかったが、活性化血小板の場合は標的細胞をメンブランで隔離しても細胞傷害反応は起こった。静止血小坂による腫瘍細胞傷害反応はプロテア-ゼインヒビタ-により阻害されるが、活性化血小板による細胞傷害反応はプロテア-ゼインヒビタ-には影響を受けなかった。これらの実験結果より、血小板により、血小板による腫瘍細胞傷害反応も、活性化血小板による溶血反応と共通のエフェクタ-を介して起こっているのではないかと推測された。おそらく、腫瘍細胞に結合した静止血小板は腫瘍細胞のもつなんらかのプロテア-ゼにより活性化を受け、細胞傷害エフィクタ-因子を遊離するのであろう。一方、静止血小板とKー562細胞との結合はエステラ-ゼインヒビタ-により阻害をうけなかったことから、プロテア-ゼは結合反応には関与していないことが示唆された。RGDペプチドや抗gpllblla抗体が結合反応を阻害するか否かを調べたが、どちらも阻害しなかった。当初、血小板結合性と血小板細胞傷害作用に対する感受性との相関について種々の腫瘍細胞株を用いて検討する予定であったが、活性化小板では結合しなくても細胞傷活性を発揮することがわかったので、血小板に対する感受性の差は結合性の差よりもむしろ血小板を活性化する物質を腫瘍細胞がもっているか否かと、活性化血小板の細胞傷害因子に対する感受性の差であることが示唆された。今後これらの点についてさらに詳しく解析を進める予定である。
腫瘍細胞が実際、血小板を活性化していることを証明するために、腫瘍細胞と結合した血小板が活性化血小板に特異的な膜タンパクGMPー140を表出しているかを、モノクロ-ナル抗体を用いた免疫電顕にて調べたが、標的細胞に結合した血小板のみならず遊離の血小板もGMPー140を表出しており、しかも単独で37℃でインキュベ-トした血小板も表出していた。それぞれ4の血小板でGMPー140の表出の程度に差があるか否か、現在のところ不明である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 岡田 真理子: "血小板による腫瘍細胞傷害反応の電顕的観察" 愛媛県立医療技術短期大学紀要. 4. 61-65 (1991)

  • [文献書誌] Okada,M.: "Cytotoxocity of activated platelets to autologous red blood cells."

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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