ウシ網膜cDNAライブラリ-より単離したMEKAcDNAは、分子量約3万の酸性可溶性MEKA蛋白質をコ-ドしている。本cDNAからMEKA蛋白質を大腸菌内で合成し、抗MEKA血清を調整した。 1.ヒトMEKA遺伝子のクロ-ニングとその解析から、本遺伝子は1コピ-存在し、2つのイントロンと3つのエクソンよりなる。ヒトMEKA蛋白質のアミノ酸配列は、ウシのそれと約90%のホモロジ-を示す。 2.組織化学から視細胞内におけるMEKA蛋白質の局在は、光刺激により変化すること、また本蛋白質は桿体細胞のみならず錐体細胞にも存在する、抗MEKAを用いたウシMEKA蛋白質の精製から、本蛋白質がG蛋白質であるトランスデュ-シンβαと複合体を形成することを見い出した。 3.MEKA蛋白質がトランスデュ-シンβαと結合することから、網膜以外の組織にも(G蛋白質のβαサブユニットと結合する)MEKA様蛋白質が存在する可能性がある。肝臓や脳とのNorthernやPCRの解析から両組織にはMEKA様mRNAが存在することを確認している。事実、肝臓cDNAライブラリ-からMEKAcDNAとハイブリダイズするクロ-ンの単離とその塩基配列の決定から、肝臓MEKAcDNAは網膜MEKAcDNAと高いホモロジ-を示すことが明らかとなった。本クロ-ンの解析を行っている。
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