研究概要 |
この10数年、抗不安、鎮痛などの薬物として使用されているベンゾジアゼピンは中枢系で活性発現するために脳に受容体、及び内因性のリガンドがモルヒネと同様に存在している可能性が研究されてきた。 現在までに、内因性リガンドの候補はRRA法、またはRIA法を指標として、ベンゾジアゼピン抗体などを担体としたカラム操作を駆使して、脳より数多く単離され報告されてきた。即ち、分子量1万以上のDBI(ジアゼバム バンデング インヒビタ-)、ノルダゼパム、および βーカルボリン誘導体などである。これらはベンゾジアゼピン受容体への親和性、生体で塩素原子を含む化合物が生合成出来るかなど問題点が考えられた。一方、ジアゼパム類が野菜などにも存在していることも明らかにされてきた。更に、胆臓性脳疾患の体液中に高濃度のベンゾジアゼピン類が含まれて様々な病気との関係が問題となってき、本体の構造、作用機構などの解明することに急務となってきた。本研究はハムゲン原子を含まず、ベゾジアゼピン様作用を有するペプタイドが脳、脊随に存在しているのか、RAA法を指標として独自の研究を開始した。本年度はウシ脊随50Kgより2M酢で抽出し、Anberite XADー4,Carbon,Sephadex LH20,HPLなどの7段階のカラム操作でベンジアゼピン様物質を精製することを試みた。逆相西担体をもちいたHPLCの溶出パタ-ンより、内因性リガンドの候補は多様な活性ピ-クが観測された。現在、分子量1000以下で熱などに安定、水に可溶なペップチド性物質が3製分真の内因性物質の候補として存在していることをゲルろ過などのカラム操作で突き止めた。本物質の究明は複雑な脳な究明に測り知れない貢献をするものと期待される。
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