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1989 年度 実績報告書

未分化急性白血病における骨髄ペルオキシダ-ゼ遺伝子発現の検索

研究課題

研究課題/領域番号 01571269
研究機関神戸大学

研究代表者

巽 英二  神戸大学, 医学部, 講師 (20192172)

研究分担者 山口 延男  神戸大学, 医学部, 教授 (00026890)
キーワード急性未分化白血病 / MPO(骨髄ペルオキシダ-ゼ) / 骨髄球系抗原
研究概要

成人の前駆B細胞ALL48例を検索し、13例に骨髄球系抗原(CD13・33)の重複発現を認めた。13例の内、12例が塗抹標本・電顕でMPO(骨髄ペルオキシダ-ゼ)陰性であり、MPO・RNA陰性であった。13例中の1例は、新鮮細胞で不明瞭であったMPO発現が、株化細胞(Tahr87)では塗抹標本で認められた。成人前駆B細胞のCD13・33を重複発現する例のほぼ全例は、MPOについては、RNAレベルでも発現の無いことが分かった。例外的に希かも知れないが、Tahr87のようにMPOの完全な発現と前駆B細胞としての形質が共存し得ることも分った。
一方、T細胞ALL(ないしリンパ芽球リンパ腫)の18例の内、2例でCD13・33の重複発現を認めた。これら2例では、経過中にCD13・33抗原の発現増強があり、しかも初診時塗抹標本では認められなかったMPOを、極く小数(2〜400に1個)の細胞に認めるようになり、更に電顕では全細胞に確認され、当然、MPO・RNAも認めた。従って、T細胞ALLの場合は、CD13・33の重複発現する例では、MPOを発現する方が一般的である可能性が残った。
結局、電顕MPOが陰性でMPO・RNAを検出できた症例は無かったが、試験管内で適切な誘導条件(サイトカインなど)を与えた上で、発現される場合、それでも発現されない場合を区別する必要がある。種々のサイトカインを調べた結果、γIFNが、MPO発現をRNAレベルで発現抑制することが判明した。γIFNは、発現調節機構が十分には分かっていないMPOについて初めて判明した発現抑制シグナルである。一方、発現昂進シグナルは種々の実験にも拘わらず、未だに検索途上である。以上、急性未分化白血病の形質分類上でMPO遺伝子発現検索の有意性は十分に明らかにされた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kamio M: "Selective expression of the p70 subunit of the interleukinー2 receptor on lymphocytes from patients with infectious mononucleosis" Blood. 75. 415-420 (1990)

  • [文献書誌] Yoneda N: "Detection of EpsteinーBarr virus(EBV)genome in benign polyclonal proliferative T cells of a young male patient" Blood. (1990)

  • [文献書誌] Arita Y: "Frequent expression of myeloid antigens(CD13)on immature T cells in culture" Acta Hematol Japon.

  • [文献書誌] 巽英二: "EBウイルスとリンパ腫" 臨床科学. 25. 1356-1363 (1989)

  • [文献書誌] 巽英二: "EpsteinーBarrウイルス(EBV)" 臨床検査. 33. 1267-1272 (1989)

  • [文献書誌] 巽英二: "悪性リンパ腫とウイルスーEBVについて" 医学のあゆみ. 152. 814-817 (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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